1999年10月1日夕方、名古屋市南区のパチンコ店で、不正にメダルを流出させていた男を従業員が見つけた。男は店から逃走し、従業員が追跡した。店外の路上で、追ってきた従業員は胸をナイフのような物で刺され、死亡した。
愛知県警が強盗殺人事件の被疑者として指名手配しているのが、中国籍の林紹葳(リン・ショウイ)だ。手配日は2000年2月5日。逮捕・起訴には至っておらず、事件発生から26年以上が過ぎた2026年8月時点でも、愛知県警の公開捜査ページに掲載されている。
| 事件 | 南区鳴浜町地内パチンコ店店員に対する強盗殺人事件 |
| 発生 | 1999年10月1日夕方 |
| 場所 | 名古屋市南区のパチンコ店・同区内の路上 |
| 手配被疑者 | 林紹葳(リン・ショウイ) |
| 国籍・生年 | 中国籍・1973年生まれ |
| 手配罪名 | 強盗殺人 |
| 手配日 | 2000年2月5日 |
| 手配署 | 愛知県警南警察署 |
| 公開特徴 | 身長約178センチ、当時やせ型、眼鏡 |
| 現在 | 指名手配・公開捜査継続 |
不正なメダル流出を見つけた従業員が店外まで追った
愛知県警が公表する事件概要によると、林紹葳は1999年10月1日夕方、名古屋市南区のパチンコ店で器具を使い、不正にメダルを流出させていた疑いが持たれている。その行為を従業員に見つけられたため、店から逃走したとされる。
従業員は逃げた人物を追跡した。事件は店内の不正行為だけでは終わらず、追跡先の路上で死亡事件へ変わった。警察が現在も公開している説明は、この発見、逃走、追跡、刺殺という短い流れを事件の骨格としている。
路上で従業員の胸を刺し、死亡させた疑い
愛知県警は、逃走した林紹葳が名古屋市南区内の路上で、追ってきた従業員の胸を所持していたナイフのような物で突き刺し、殺害した疑いがあるとしている。手配罪名は強盗殺人だ。
ここで重要なのは、林紹葳が現在も「手配被疑者」であることだ。警察は強盗殺人の疑いで行方を追っているが、本人は逮捕されておらず、検察による起訴も刑事裁判も行われていない。したがって、判決による事実認定や有罪確定がある事件として扱うことはできない。
2000年2月5日、強盗殺人で指名手配
愛知県警の手配情報では、林紹葳は1973年生まれの中国籍の男性。2000年2月5日、強盗殺人を罪名として南警察署から指名手配された。事件発生から約4か月後のことだった。
県警が現在公開している特徴は、身長約178センチ、当時やせ型で眼鏡をかけていたというもの。掲載されている顔写真には「平成8年撮影」とあり、1996年に撮影された写真が手配資料として使われている。手配から長い年月が経過しているため、公開資料は事件当時に近い時期の特徴を示すものとして読む必要がある。
警察庁の重要指名手配被疑者にも掲載
林紹葳は愛知県警だけでなく、警察庁の「重要指名手配被疑者」にも掲載されている。警察庁の令和7年版公開ページでは、リン・ショウイ、52歳、身長約178センチ、強盗殺人と掲示され、愛知県警の手配ページへリンクされている。
警察庁ページの年齢は2025年11月1日現在の表記である。2026年8月24日時点で閲覧できる警察庁の公開ページは令和7年版だが、愛知県警の現在の指名手配一覧と個別ページには林紹葳が引き続き掲載されており、南警察署特別捜査本部が情報を求めている。
警察庁の「52歳」は2025年11月1日現在の年齢
警察庁の重要指名手配ページには林紹葳を52歳とする表示があるが、ページ自体が被疑者の年齢を「令和7年11月1日現在」と明記している。愛知県警の個別ページは年齢ではなく「昭和48年生まれ」としており、長期手配では基準日の違いを分けて読む必要がある。
2026年8月時点の年齢を警察庁の52歳表記だけから固定することはできない一方、氏名、1973年生まれ、中国籍、身長約178センチ、強盗殺人という手配情報は県警・警察庁で一致している。公開写真が1996年撮影であることも県警が明示している。
26年以上が過ぎても、愛知県警の公開捜査は続く
手配開始は2000年2月5日であり、2026年8月までに26年以上が経過した。愛知県警の「捜査にご協力を!」ページでは、1999年10月1日発生の事件として林紹葳の指名手配が現在も掲げられている。
個別の手配ページには、南警察署内に設けられた「南区鳴浜町地内パチンコ店店員に対する強盗殺人事件」特別捜査本部が情報提供先として記されている。情報提供先の電話番号は052-822-0110、内線332。わずかな情報でも寄せるよう呼びかけが続けられている。
強盗殺人の公訴時効は2010年の法改正で廃止
長期手配事件では、公訴時効との関係も重要になる。愛知県警は捜査協力ページで、2010年4月27日に刑事訴訟法などの改正法が成立・施行され、殺人、強盗殺人・強盗致死などの罪について公訴時効が廃止されたと案内している。
林紹葳の手配罪名は強盗殺人であり、県警は現在も事件情報を募集している。事件から長い年月が経過したことだけを理由に、捜査が終了した事件ではない。
確定しているのは「手配中」であり、刑事裁判の結論ではない
未解決の指名手配事件では、警察が公表する容疑内容と、裁判所が認定した事実を混同できない。林紹葳について公表されているのは、愛知県警が強盗殺人事件の被疑者として指名手配し、警察庁の重要指名手配にも掲載しているという捜査上の位置づけだ。
逮捕されていないため、本人の認否を刑事裁判で確認する段階にも至っていない。事件の動機、逃走後の行動、現在地などについて、警察の公開ページは断定的な説明を出していない。根拠のない海外逃亡説や死亡説などを事実として加えることはできない。
1996年撮影の写真と当時の特徴を手掛かりに情報を募集
県警の公開写真は1996年撮影で、事件発生の約3年前のものだ。公開されている身体的特徴も「当時やせ型」「眼鏡をかける」と、当時の状態で示されている。現在の外見を推測した説明は付されていない。
長期手配になったからこそ、古い写真や当時の特徴だけで人物像を固定せず、警察が示す氏名、国籍、生年、身長、事件との関係を手掛かりとして情報提供につなげることが求められている。県警は情報提供者の秘密を厳守すると案内している。
被害者の氏名や逃走先を、公開手配資料は示していない
愛知県警の個別ページは、被害者を「追跡してきた従業員」と記載し、氏名は掲載していない。また、林紹葳の事件後の移動経路や現在地についても説明していない。公開資料から確定できるのは、事件当日の行為について警察が持つ容疑、手配日、手配罪名、身体的特徴などに限られる。
長期未解決事件では、年月の経過とともに各種の推測が付随しやすい。しかし、警察が公表していない逃走経路や生活状況を断定すると、手配事実と推測が混ざる。林紹葳の事件では、現在も身柄が確保されていないという一点が、刑事手続が次へ進んでいない最大の事実である。
事件の流れを時系列で見ると、手配まで約4か月
| 1999年10月1日夕方 | 名古屋市南区のパチンコ店で不正なメダル流出を従業員が発見 |
| 同日 | 逃走した人物を従業員が追跡し、路上で胸を刺され死亡 |
| 2000年2月5日 | 愛知県警南警察署が林紹葳を強盗殺人で指名手配 |
| 2010年4月27日 | 殺人・強盗殺人などの公訴時効を廃止する法改正が成立・施行 |
| 2025年 | 警察庁の令和7年重要指名手配被疑者ページに掲載 |
| 2026年8月24日 | 愛知県警の指名手配・捜査協力ページで公開捜査が継続 |
事件発生から手配までには約4か月がある。その後は、愛知県警の指名手配と警察庁の重要指名手配という形で公開捜査が続いてきた。公表資料上、逮捕や起訴、裁判開始を示す更新はない。
事件は現在も南警察署特別捜査本部が扱う
事件発生は1999年、指名手配は2000年。四半世紀を超えても、愛知県警は専用の事件ページを残し、特別捜査本部への情報提供を呼びかけている。警察庁の重要指名手配ページにも名前が掲げられている。
一方で、刑事裁判によって林紹葳が犯行を行ったと確定したわけではない。現在の法的な位置づけは、あくまで強盗殺人容疑で指名手配されている被疑者である。事件の解明には、身柄の確保と、その後の捜査・司法手続が必要になる。
参考資料・出典
関連事件
この事件に関連するテーマから、書籍・資料をまとめて確認できます。
