2009年2月24日、東京都台東区東上野二丁目のマンション内で、被害者が首や鼻・口を圧迫されるなどの暴行を受けて死亡し、財布などを奪われる事件が起きた。警視庁が被疑者として追っているのは、中国籍の男女2人、斯日古楞と黄帥軍である。
2人は事件直後に日本を出国し、中国・内モンゴル自治区へ戻ったと警視庁は把握している。現在も指名手配は続き、再び日本へ入国して国内に潜伏している可能性も想定して、複数言語で情報提供を呼びかけている。
| 発生日 | 2009年2月24日 |
|---|---|
| 場所 | 東京都台東区東上野二丁目のマンション |
| 被害 | 被害者1人が死亡、財布などが奪われた |
| 指名手配 | 斯日古楞、黄帥軍 |
| 国籍 | 2人とも中華人民共和国 |
| 事件後 | 直後に海外へ逃亡し、内モンゴル自治区へ帰国 |
| 捜査 | 警視庁捜査第一課・上野警察署が公開捜査 |
| 現在 | 2026年8月27日時点で指名手配継続 |
首や鼻・口を圧迫する暴行を加え、財布などを奪った疑い
警視庁は、2人が東上野二丁目のマンション内で被害者の頸部または鼻・口を圧迫するなどの暴行を加えて死亡させ、財布などを奪った疑いがあるとして指名手配している。
事件直後に2人が国外へ出たため、警視庁は所在捜査を続けてきた。上野警察署は、似た人物を見たという情報や現在の居場所に関する情報を現在も受け付けている。
斯日古楞――事件当時25歳、呼和浩特市に居住歴
斯日古楞は1983年8月22日生まれの女性で、事件当時25歳。警視庁によると、中国・内モンゴル自治区出身で、2009年当時は同自治区の呼和浩特(フフホト)市に居住歴があった。
事件当時の身体特徴は、身長約160センチ、中肉。警視庁は2009年撮影の顔写真とともに、年齢の経過を想定した「35歳位のイメージ」も公開している。異名としてローマ字表記「SIRIGULENG」も掲載されている。
黄帥軍――事件当時26歳、身長約183センチ
黄帥軍は1982年6月6日生まれの男性で、事件当時26歳。中国・内モンゴル自治区出身で、2009年当時は錫林浩特(シリンホト)市に居住歴があったとされる。
身体特徴は身長約183センチ、やせ型。警視庁は2009年撮影の写真と「35歳位のイメージ」を公開し、ローマ字では「HUANG SHUAIJUN」として手配している。2人とも事件から長期間が経過しており、現在の外見が当時の写真と変わっている可能性を前提に公開資料が作られている。
事件直後に日本を出国し、内モンゴル自治区へ帰国
警視庁は、斯日古楞と黄帥軍が事件直後に日本を出国し、中国の内モンゴル自治区へ帰国したとの情報を公表している。事件現場から姿を消しただけではなく、国外へ移動したことが捜査上の大きな特徴となった。
2026年2月24日にも警視庁刑事部捜査第一課は、この事件について2人が内モンゴル自治区へ帰国したとの情報があるため、外国語でも情報発信していると改めて告知している。発生から17年を経ても公開捜査は継続している。
警視庁は「再入国し、国内に潜伏」の可能性も捜査
国外へ出たという情報がある一方、警視庁は2人がすでに再入国し、日本国内に潜伏している可能性も十分に考えられるとしている。このため情報提供の対象は中国国内だけに限られていない。
似た男女を見た、現在の居場所を知っている、2人に関する話を聞いたことがある――といった情報を上野警察署が受け付けている。公開捜査ページには専用の情報提供フォームも設けられている。
日本語、中国語、英語、内モンゴル語で公開捜査
警視庁は日本語版だけでなく、中国語版と英語版の事件ページを公開している。さらに内モンゴル語の公開捜査資料も掲載しており、2人の出生地・帰国先とされる地域に届く形で情報を発信している。
中国語版にも、事件日、2人の氏名、生年月日、身体特徴、内モンゴル自治区での居住歴が掲載されている。国外逃亡被疑者を追う事件であるため、国内向けの通常の公開捜査よりも多言語での周知が重視されている。
警視庁の公開捜査一覧に現在も掲載
警視庁の「公開捜査一覧」では、2009年に発生した未解決事件の一つとして東上野二丁目マンション内殺人事件が現在も掲載されている。上野警察署のページでも公開捜査中の事件として案内されている。
2026年8月27日時点で、斯日古楞と黄帥軍は現在も事件の被疑者として指名手配されている。
2010年の法改正で殺人などの公訴時効は廃止
事件翌年の2010年には刑事訴訟法が改正され、人を死亡させた罪で死刑に当たるものについて公訴時効が廃止された。法務省資料では、改正法施行時にまだ時効が完成していない事件にも新制度が適用されると説明されている。
東上野二丁目マンション内殺人事件は、現在も警視庁が公開捜査を続ける殺人事件として扱われている。時間の経過によって公開捜査が終了した事件ではない。
2026年8月27日時点でも2人を指名手配
事件から17年以上が経過した現在も、警視庁は斯日古楞と黄帥軍の顔写真や身体特徴を公開し、所在に関する情報を求めている。2人が帰国したとされる内モンゴル自治区と、日本への再入国・国内潜伏の双方を視野に入れた捜査が続く。
2人は逮捕・起訴には至っておらず、刑事裁判も始まっていない。警視庁は所在確認と身柄確保へ向けた情報提供を求め続けている。
参考資料・出典
- 警視庁「東上野二丁目マンション内殺人事件」
- 警視庁 中国語版「东上野二丁目楼房内杀人案」
- 警視庁 英語版「Murder inside a condominium in Higashi-ueno 2-chome」
- 警視庁「公開捜査一覧」
- 上野警察署「情報を求めます」
- 法務省「公訴時効制度の見直しについて」
この事件に関連するテーマから、書籍・資料をまとめて確認できます。
