六本木クラブ襲撃事件|藤本亮介さん死亡、見立真一を手配・懸賞金上限600万円

公開日 2026年2月27日
最終更新 2026年8月28日

事件ステータス

発生年月日
2012年
都道府県
東京都
事件分類
未解決事件 / 殺人事件
事件状況
未解決

2012年9月2日午前3時43分ごろ、東京都港区六本木5丁目のクラブ「スタジオフラワー」に目出し帽を着けた男らが押し入り、店内にいた飲食店経営者・藤本亮介さん(当時31歳)を金属バットなどで集団で殴った。藤本さんは搬送先で死亡した。

警視庁は、旧暴走族グループ「関東連合」の元メンバーらによる襲撃事件として捜査し、複数の関係者を逮捕・起訴した。実行グループの一部や連絡役らには有罪判決が確定した一方、警視庁が主犯格とみる見立真一は事件直後に海外へ逃亡し、2026年8月現在も指名手配中である。公的・私的懸賞金は合わせて上限600万円、対象期間は2026年10月31日までとなっている。

発生2012年9月2日午前3時43分ごろ
場所東京都港区六本木5丁目5番1号・スタジオフラワー
被害者藤本亮介さん(31歳)
犯行複数の男が金属バット等で集団暴行
手配被疑者見立真一(1979年3月16日生)
見立の特徴身長約167cm、がっちり、右前腕・左目上・前頭部・額部に傷跡
公的懸賞金上限300万円
私的懸賞金上限300万円
対象期間2025年11月1日~2026年10月31日
情報提供先警視庁麻布警察署

午前3時43分、複数の男が店内へ

警視庁によると、事件が起きたのは9月2日午前3時43分ごろ。男らは六本木の雑居ビル2階にあったクラブへ入り、藤本さん一人を集団で襲撃した。

使用されたのは金属バットなど。店内には他の客もいたが、犯行グループは短時間で藤本さんへ暴行を集中させ、その後逃走した。

藤本亮介さんは襲撃グループの本来の標的ではなかったとされる

刑事裁判や事件報道では、襲撃グループが別の人物を狙って店へ入り、藤本さんをその人物と誤認した可能性が高いとされた。

この誤認が事件の重大な特徴となった。藤本さん自身と襲撃グループの間に、殺害されるほどの個人的な対立があったと裁判で認定された事件ではない。

実行グループが本来狙っていたとされる人物と藤本さんの外見や居場所をどのように取り違えたのかは、事件の全容を考える上で重要な点となった。

結果として、襲撃グループの対立関係とは直接関係のない藤本さんが死亡した。誤認による襲撃であっても、集団で危険な暴行を加えた刑事責任が軽くなるわけではない。

短時間の集団襲撃は事前に準備された

実行犯らは目出し帽などで顔を隠し、金属バットなどを準備して店へ向かった。

東京高裁は石元太一の控訴審で、襲撃が計画的かつ迅速に行われ、準備段階から複数人が役割を分担していたことを重く評価した。偶発的な店内トラブルが拡大した事件ではなかった。

警視庁は旧関東連合の元メンバーらを捜査

事件後、防犯カメラ映像、車両、関係者同士の連絡記録などから、旧関東連合の元メンバーらが捜査線上に浮上した。

複数人が逮捕・起訴され、傷害致死、建造物侵入、凶器準備集合などで刑事責任を問われた。関与の程度は人物ごとに異なり、全員が同じ役割や同じ刑を受けたわけではない。

実際にバットを持って店内へ入った者、車両や移動に関与した者、店内の標的人物情報を伝えたとされた者では、成立する共犯関係や量刑評価が異なる。

事件全体を「関東連合メンバー全員が同じように藤本さんを殴った」とまとめると、個別の裁判で認定された役割の違いを失う。

石元の裁判が注目されたのも、この役割の違いにあった。一審は現場で暴行していないことを重く見て責任を限定したが、二審は標的情報を伝え、襲撃へ向かう仲間の動きを認識していた点をより重く評価した。

同じ事件に関与した人物でも、実行役、準備役、連絡役では量刑が同一になるわけではない。裁判所は個別の関与度を踏まえて刑を決めた。

石元太一は実行現場に入らず、共謀が争点

石元太一は事件直前にクラブを離れており、藤本さんへ自らバットを振るった人物ではなかった。

検察側は、標的とされた人物が店内にいることを仲間へ知らせ、襲撃に向かう集団の動きを認識していたとして、傷害致死の共謀が成立すると主張した。石元側は無罪を主張した。

一審は懲役11年

2013年の東京地裁裁判員裁判は、石元が連絡役として重要な役割を果たしたとしながら、襲撃の中心人物とまではいえないとして懲役11年を言い渡した。

検察側の求刑は懲役22年で、一審は大幅に軽い刑を選択した。石元側だけでなく検察側も量刑を不服として控訴した。

東京高裁は一審を破棄し懲役15年

2014年12月、東京高裁は一審判決を破棄し、石元に懲役15年を言い渡した。

高裁は、襲撃が計画的・組織的で、石元も計画や準備段階に深く関与していたとして、一審が責任を軽く評価し過ぎたと判断した。

2016年、最高裁で懲役15年が確定

石元側は上告したが、最高裁第一小法廷は2016年6月15日付で上告を棄却した。これにより懲役15年が確定した。

石元はその後も無罪を主張し、2020年には再審請求を申し立てたと報じられている。2026年のABEMA取材でも服役中とされ、確定判決が取り消されたとの公表はない。

主犯格として手配される見立真一

警視庁が現在「主犯格」として指名手配しているのが見立真一である。1979年3月16日生まれ、身長約167センチ、がっちりした体格とされる。

公開されている写真は事件当時33歳のもので、2026年時点では47歳になっている。年月の経過で顔つきが変わる可能性を考え、警視庁は年齢を重ねた容貌を想定した似顔絵も併せて公開している。

長期逃亡事件では、古い顔写真だけに頼ると本人を見逃す可能性があるため、変わりにくい傷跡や体格といった身体特徴も手配情報に含まれている。

身体特徴として、右前腕、左目上、前頭部、額部に傷跡がある。警視庁は現在の容貌を推定した似顔絵も公開している。

事件直後に海外逃亡

警視庁は、見立が事件直後に海外へ逃亡したとみている。

見立については事件発生から長期間、国外逃亡を前提とする捜査情報が伝えられてきた。警視庁の現行ページも、事件直後に海外へ逃亡したという見方を維持している。

ただし時間が経過した現在は、入国経路や他人名義の利用などを含め国内へ戻っている可能性も排除していない。公式手配ページが国内の立ち回り先を具体的に挙げるのは、そのためである。

長期逃亡事件では、海外にいるという過去情報だけで現在地を固定できない。警視庁は「既に日本に帰国し、国内に潜伏している可能性も十分考えられる」と明記している。

都内だけでなく静岡・埼玉・宮城も立ち回り先として捜査

警視庁が公式ページで挙げる予想立ち回り先は、東京都内、静岡県内、埼玉県内、宮城県内である。

これは現在地が4都県のいずれかに特定されているという意味ではない。過去の人間関係や生活圏などから、捜査上接点が考えられる地域として情報提供を求めている。

公的懸賞金300万円と私的懸賞金300万円

本件は警察庁の捜査特別報奨金制度の対象で、見立の検挙などにつながる有力情報には上限300万円が支払われる。

これとは別に「六本木五丁目雑居ビル飲食店内殺人事件の捜査に協力する会」が上限300万円の私的懸賞金を設定しているため、合計の上限は600万円となる。

600万円が必ず一人へ支払われるわけではない

懸賞金は、情報を提供すれば一律600万円が支払われる制度ではない。検挙等への寄与度に応じて支給額が決まり、対象者が複数なら分割される。

また匿名の情報提供者は懸賞金支給の対象外となる。警視庁は情報提供者の氏名などを公表しないとしている。

公的懸賞金と私的懸賞金は別制度だが、本件では同じ事件について並行して設定されている。検挙へ結び付く一つの情報が両制度の対象となる場合でも、具体的な支給額は各制度の基準に沿って判断される。

情報提供先は麻布警察署の特別捜査本部で、電話だけでなく警視庁のメールフォームも案内されている。

現在の懸賞期間は2026年10月31日まで

警視庁の2026年の懸賞広告一覧では、対象期間は2025年11月1日から2026年10月31日まで。

2026年8月26日時点では期間内である。過去の期限をそのまま掲載した情報ではなく、現在の警視庁公式ページで有効な期間として確認できる。

捜査特別報奨金は年度ごとに対象期間が設定され、延長される場合には新しい期間が公表される。本件も過去に複数回対象期間が更新されてきた。

したがって、懸賞金額や期限は事件発生当時の記事ではなく、現在の警視庁ページで確認する必要がある。2026年8月時点では上限600万円、10月31日までという条件が有効である。

「見立真一が国外にいる」と断定できない

長年、東南アジアなどでの目撃情報が報じられてきた一方、警視庁は国内潜伏の可能性も明示している。

特定の国にいるという報道や関係者証言があっても、現在の所在を公的に確認した情報とは限らない。2026年現在の確実な法的状態は、見立が殺人事件の被疑者として指名手配され、逃走を続けているという点である。

見立の刑事責任はまだ裁判所が判断していない

警視庁は見立を主犯格とみて手配しているが、見立本人に対する公判は開かれていない。

したがって、既に有罪判決が確定した石元らと、未逮捕・未起訴の見立を同じ法的段階で扱うことはできない。見立については警察の被疑者・指名手配段階であり、最終的な有罪認定は裁判を経ていない。

2026年も警視庁が公開捜査を継続

警視庁は2025年11月に事件ページを更新し、現在も見立の写真と推定似顔絵を公開している。

似た人物を見た、現在の居場所を知っている、逃走を助けた人物を知っている、利用施設や店舗を知っているといった情報を麻布警察署が受け付けている。事件発生から14年が経過しても、主犯格とされる被疑者の検挙が残された最大の捜査課題となっている。

2026年6月にはABEMAが見立の行方を追う取材を行い、タイやカンボジアを含む海外で過去の足取りを調べる一方、石元太一受刑者への取材も報じた。

報道上の目撃情報や関係者証言が増えても、現在地を確定するのは捜査機関による確認である。2026年8月現在、見立が逮捕されたとの警視庁発表はなく、公開手配は継続している。

参考資料・出典

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