1990年11月23日夜、沖縄県沖縄市で、暴力団抗争を警戒していた沖縄署の警察官2人が車内で拳銃に撃たれ、死亡した。第六次沖縄抗争の最中に起きた事件で、警察は旭琉会系の又吉建男らが関与したとみて捜査した。共犯とされた男は検挙されたが、又吉は事件後に所在をくらませた。
又吉は1949年10月13日生まれで、身長約172センチ。警察庁指定の重要指名手配被疑者として現在も公開されている。沖縄県警は2026年7月にも公式情報を更新し、似た人物を見たという内容を含めて通報を求めている。又吉は逮捕も起訴もされておらず、警察官2人の殺害容疑に関する捜査は継続中である。
| 事件名 | 沖縄警察官2人射殺事件 |
|---|---|
| 発生日 | 1990年11月23日 |
| 場所 | 沖縄県沖縄市 |
| 被害者 | 抗争警戒中の警察官2人 |
| 重要指名手配 | 又吉建男 |
| 現在の状況 | 未逮捕、全国で公開捜査継続 |
第六次沖縄抗争へ進んだ組織の分裂
沖縄県内では戦後に形成された暴力団が統合と分裂を繰り返し、1990年には三代目旭琉会の内部対立から別組織が生まれた。両団体の対立は、組員の襲撃や銃撃が続く第六次沖縄抗争へ発展した。警察は事務所、幹部宅、関係先を警戒し、一般市民を巻き込む発砲を防ぐための体制を敷いた。
抗争では相手組織の構成員と誤認された人が襲われる危険も現実となった。沖縄県警のまとめでは、この抗争中に警戒していた警察官2人と、アルバイト中だった定時制高校生1人が拳銃で殺害された。暴力団員同士の対立が、職務に就く警察官や組織と関係のない若者の生命を奪った。
警察官射殺事件は、抗争が最も緊迫していた時期に起きた。警戒対象となる人物や車を見分けることが難しい夜間の現場で、銃器を持つ側が短時間に発砲して逃走すれば、周辺の安全確保と犯人追跡を同時に行う必要があった。
沖縄県警が公表する抗争統計では、県内の過去の対立抗争全体で多数の死傷者が出ている。第六次抗争は分裂直後の勢力争いが激化し、拳銃を携行した組員が公道や店舗周辺で相手を探す状況を生んだ。
警戒中の車内を襲った拳銃発砲
1990年11月23日夜、沖縄署の警察官2人は沖縄市内で抗争警戒に当たっていた。二人は車内にいたところを拳銃で撃たれ、死亡した。沖縄県警は事件を、対立組織の構成員を狙った襲撃の過程で警察官が殺害されたものとして捜査した。
現場では発射された弾丸、薬きょう、車両の損傷、周辺の目撃が調べられた。至近距離で複数回発砲したとすれば、実行者が拳銃を携行し、発見された場合にも使用する意思を持っていたことになる。抗争事件で使われた他の銃器との照合も重要だった。
発砲後、実行者は現場から離れた。抗争関係者は互いの拠点、車両、交友関係を知っており、組織の支援を受ければ住居や移動手段を替えられる。事件直後の検問と関係先捜索は、銃器の回収と逃走経路の遮断を目的として進められた。
警察官が暴力団員と誤認されて襲われたとされる点は、実行者が標的確認より発砲を優先した危険性を示す。私服警戒中の車両と対立組織の車をどのように見分けたか、事前情報が誤っていたかが捜査された。
暴力団関係者への捜査と共犯者の検挙
捜査本部は、抗争の指揮系統、襲撃を計画した人物、実際に拳銃を撃った人物を分けて調べた。関係者の供述だけでなく、現場の弾道、車両、銃器の入手経路、事件前後の行動を照合し、又吉建男らの関与を疑うに至った。
共犯とされた人物は事件後に検挙され、刑事裁判の対象となった。一方、又吉は警察の追及を受ける前に所在をくらませた。共犯者が確保されても、又吉本人の供述や所持品を調べられないため、役割分担と逃走支援の全容は未解明の部分を残した。
沖縄県警は抗争全体に対する集中取締りを行い、首領や幹部を含む多数の被疑者を検挙し、42丁の拳銃を含む大量の物件を押収した。組織間の抗争は鎮静化したが、又吉の未検挙は、個別の殺人事件が終結していないことを意味した。
共犯者の裁判資料や供述は又吉の役割を示す重要な証拠となるが、他人へ責任を転嫁する可能性もある。弾道、現場目撃、事件前後の車両と照合し、供述だけに依存しない立証が必要だった。
全国指名手配と潜伏先を追う捜査
又吉は全国指名手配となり、警察庁が特に重大な事件の被疑者を指定する重要指名手配の対象に入った。公開資料には顔写真、生年月日、身長が掲載され、沖縄県内だけでなく全国の警察が発見時の身柄確保に備えた。
長期逃走では、本人名義の住居、口座、電話、運転免許を使えば警察の照会にかかる可能性が高い。別人名義の契約、現金中心の生活、知人宅の移動を続けた可能性があり、捜査は又吉本人だけでなく、生活を支えた人物と資金の流れにも向けられた。
年月が経つにつれて顔貌、髪、体格は変化する。警察が公開する当時の写真と現在の年齢を結び付け、過去に沖縄の暴力団関係者と接点があった高齢男性、氏名や経歴を詳しく話さない人物について確認する必要がある。
又吉の手配は沖縄県内の暴力団関係先だけでなく、全国の港湾、建設業、離島、海外への出入国情報へ広げられた。長期にわたり身元を隠すには複数の協力者が必要となる可能性があり、人間関係の変化が情報提供の契機となる。
病気や死亡に関する情報の確認
長期指名手配事件では、被疑者がすでに死亡したとの情報が流れることがある。又吉についても健康状態や医療機関への受診を示す情報が捜査の対象となってきたが、死亡を公的に確認できる資料は示されていない。
他人の健康保険証や偽名を使って診療を受けた場合でも、年齢、身体特徴、付き添った人物、診療記録が手掛かりとなる。警察は医療情報の扱いに必要な手続きを踏みながら、指名手配者と疑われる受診情報を確認する。
死亡説は、確かな身元確認や遺体の鑑定がなければ捜査を終える根拠にならない。本人が死亡したとの噂を利用して追跡を避けている可能性もあるため、沖縄県警は現在も生存を前提とした公開手配を続けている。
重い病気で入院を要する場合、偽名生活を続けることは難しくなる。医療費、検査画像、付き添いの人物、死亡届などの記録が残り得るため、健康情報に関する過去の通報も本人確認を経て捜査された。
公訴時効廃止後も残る逮捕と立証の課題
殺人罪の公訴時効は2010年の法改正で廃止された。改正時点で時効が完成していなかった事件には新しい制度が適用されるため、又吉が見つかれば、事件から長期間が経過していても逮捕と起訴を検討できる。
ただし、時効がなくなっても証拠が自動的に保全されるわけではない。目撃者の記憶、関係者の死亡、物証の劣化を踏まえ、当時集めた弾丸、車両資料、供述記録を現在の鑑定技術で再検討する作業が重要となる。
逮捕後には、又吉本人の同一性、発砲への関与、共犯関係を裁判で証明する必要がある。指名手配は有罪判決ではなく、捜査機関が逮捕を求めている段階であるため、法的状況は未逮捕・未起訴として区別される。
共犯者の裁判期間中は旧制度の時効進行が停止する場合があり、その後に2010年改正が施行された。本件を単純に発生日から旧時効期間で計算して終了したとする情報は誤りで、現在も逮捕可能な事件である。
2026年も続く重要指名手配
沖縄県警は2025年11月に又吉の手配情報を改めて掲載し、2026年7月にページを更新した。又吉は1949年10月13日生まれで、2026年には76歳となる。身長は約172センチとされ、似た人物を見た場合には110番通報するよう求めている。
求められる情報は現在の居場所だけではない。過去に偽名で働いていた、沖縄出身を隠していた、事件当時の写真を極端に嫌がった、暴力団関係者から生活支援を受けていたといった事実も、過去の足取りをつなぐ材料となる。
2026年8月時点で又吉は逮捕されていない。警察官2人が殺害された事件の刑事責任は裁判で判断されておらず、重要指名手配は継続している。沖縄県警は、本人に似た人物を見かけたという小さな情報でも提供するよう呼びかけている。
2026年の年齢を考えると、介護施設や高齢者向け住宅へ別名で入っている可能性も排除できない。顔写真だけでなく生年月日、沖縄の地理や抗争を詳しく知る言動、過去の刺青や傷などを総合して通報することが求められる。
殉職警察官の慰霊と捜査の継承
沖縄署では事件で殉職した警察官を追悼し、元捜査員らが慰霊を続けている。定期的な慰霊は遺族のためだけでなく、新しい捜査員へ事件資料と未検挙者の追跡を引き継ぎ、年月が経っても終結していないことを確認する機会となる。
担当者が退職しても、当時の関係者名簿、銃器鑑定、共犯者供述を整理し直す必要がある。現在の捜査員が過去の暴力団人脈を理解できるよう、組織の分裂と統合を時系列で記録しておくことが重要である。
一般からの通報を本人確認へつなげる手順
「似た人がいる」という通報を受けると、警察は年齢、身長、話し方、生活歴を確認し、本人へ不用意に接触せず裏付けを進める。高齢者の顔は加齢で変わるため、昔の写真との画像比較だけでなく、指紋やDNA型を得る法的手続が必要になる。
誤情報で無関係の人の生活を侵害しない一方、指名手配者を逃がさない慎重さが求められる。通報者は自分で問い詰めたり撮影を続けたりせず、場所、時間、車両などを警察へ伝えることが安全な対応とされる。
第六次抗争で押収された拳銃と事件の弾丸を照合することは、又吉の所属組織が保管していた銃器網を明らかにする。共犯者が使った銃と又吉が使ったとされる銃を区別し、所持と発砲の双方を個人へ結び付ける必要がある。
又吉が高齢となった現在、本人が自ら出頭する可能性や、介護を担う人物が通報する可能性もある。情報提供者が暴力団との過去の関係を恐れる場合でも、警察は秘密を守り、安全を確保しながら事情を聴く体制を取る。
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