茨城大学女子学生殺人・死体遺棄事件|13年後のDNA逮捕、2人の無期懲役と今も追う共犯者

公開日 2026年9月12日
最終更新 2026年8月28日

事件ステータス

都道府県
茨城県
事件分類
性犯罪 / 死体遺棄事件 / 殺人事件

2004年1月31日朝、茨城県美浦村の清明川で、茨城大学農学部2年の原田実里さん(21)の遺体が見つかった。原田さんの自転車は離れた土浦市内に残されていた。警察は複数人による犯行を視野に捜査したが、事件は長く未解決の状態が続いた。

大きく動いたのは13年後の2017年。DNA型などの捜査からフィリピン国籍の男が逮捕され、無期懲役が確定した。さらに事件当時18歳だった共犯者が2019年に日本へ戻り逮捕され、こちらも無期懲役となった。それでも事件は完全には終わっていない。茨城県警は2026年現在も、残る共犯者について捜査を続けている。

発生2004年1月30日深夜~31日早朝
遺体発見茨城県美浦村舟子・清明川
被害者原田実里さん(21)・茨城大学農学部2年
1人目の逮捕2017年9月、ランパノ・ジェリコ・モリ
1人目の判決2018年7月、水戸地裁が無期懲役
2人目の逮捕2019年1月、事件当時18歳の元少年
2人目の判決2021年2月、水戸地裁が無期懲役・確定
現在茨城県警が共犯者1人を捜査中

原田さんの遺体と自転車は、離れた場所で見つかった

原田さんは阿見町のアパートで暮らしていた。1月30日深夜から31日早朝にかけて事件に巻き込まれ、美浦村舟子の清明川河口付近で遺体が発見された。自転車は土浦市小岩田で見つかっている。

遺体発見場所、自転車の放置場所、原田さんの生活圏が離れていたことから、警察は車を使った移動を含めて捜査した。現場資料から得られたDNA型は、後に事件を動かす重要な手掛かりとなる。

捜査は長期化し、容疑者が国外にいる問題も重なった

捜査で複数のフィリピン国籍者が関与した疑いが浮上したものの、事件後に国外へ出た人物もいた。日本とフィリピンの間で身柄確保が直ちに進む状況ではなく、警察は国内外の関係者を追いながら情報を積み上げた。

未解決期間が長くなっても、DNA型など物的資料は残る。事件発生時には容疑者を特定できなくても、後年に別の資料や人物情報と照合することで捜査が動く可能性がある。原田さんの事件はその典型となった。

2017年、ランパノ・ジェリコ・モリを逮捕

事件から13年後の2017年9月、警察はランパノ・ジェリコ・モリを逮捕した。DNA型の一致などが逮捕へつながった。モリは殺人と強姦致死の罪で起訴された。

公判では、モリが他の2人とともに原田さんを車へ連れ込み、性的暴行を加えた後、口封じのため殺害に加わったと認定された。詳細な暴行態様は事件理解に必要な範囲を超えて描写する必要はないが、性犯罪と殺人が一体となった事件として起訴・認定された。

水戸地裁は1人目に無期懲役

2018年7月25日、水戸地裁はモリに無期懲役を言い渡した。裁判所は、3人の中で年長者として主体的に関与し、生命を奪う行為にも深く関わったと評価した。

判決はその後確定した。逮捕まで13年を要した事件でも、時間の経過だけで刑事責任が消えるわけではない。2004年当時の殺人には公訴時効が存在したが、その後の法改正との関係を含めても、この事件では捜査・起訴が可能な時期に身柄確保へ至った。

事件当時18歳だった元少年が2019年に日本へ戻った

警察は共犯者とみていた事件当時18歳の元少年についても国際的に捜査を続けた。元少年側から出頭の意思が示され、2019年1月、捜査員がフィリピンからの航空機に同行し、成田空港へ到着したところで逮捕した。

成人後に逮捕されても、犯行時に少年だった事実は消えない。一方、重大事件であり、本人が成人してから公開の刑事裁判が行われたため、報道では「元少年」として扱われた。

2人目も無期懲役、控訴せず確定

2021年2月3日、水戸地裁は元少年にも無期懲役を言い渡した。元少年は起訴事実を認め、裁判所は性的暴行や殺害へ具体的に関与した責任を重く評価した。

元少年は控訴せず、無期懲役が確定した。これによって刑事裁判で有罪が確定した人物は2人となった。

2026年も「共犯者について捜査中」

茨城県警の公式ページは2026年現在も、被疑者2人を検挙し「共犯者について捜査中」と明記している。残る人物について刑事裁判による有罪認定は行われていない。

その人物は警察が共犯者として捜査を継続している対象であり、逮捕・起訴・有罪判決には至っていない。

DNA型は、長期未解決事件を13年後に動かした手掛かりの一つ

原田さんの事件では、現場に残された資料からDNA型が得られていた。捜査当初に直ちに身柄確保へ結び付かなかったとしても、DNA型は時間が経っても人物を照合する重要な資料になる。

警察は関係者の出入国や所在確認を続け、2017年に日本国内にいたランパノ・ジェリコ・モリを逮捕した。事件発生から13年後の逮捕であり、物的証拠の保存と継続捜査が結び付いた。

ただしDNA型の一致だけで事件の全経過が確定するわけではない。裁判では、誰が原田さんを車へ連れ込んだのか、性的暴行と殺害へそれぞれどのように関与したのかについて、供述や他の証拠と合わせて認定された。

2人の有罪確定後も、事件は警察上「捜査中」のまま

1人目のモリと、事件当時18歳だった元少年には、それぞれ無期懲役が言い渡され確定した。これだけを見ると事件全体が解決したように見えるが、茨城県警の公式ページは2026年も「共犯者について捜査中」としている。

残る人物については、警察が共犯者とみて捜査している段階で、日本の刑事裁判による有罪認定は行われていない。検挙された2人とは法的な状態が異なる。

また、警察は現在も事件に関する情報提供を求めている。2人の刑事裁判が終了した後も、捜査機関にとって事件全体の解明は完了していない。

事件当時18歳だった人物を、成人後の裁判でどう扱ったか

2019年に逮捕された人物は、事件当時18歳だったため、犯行時には少年法上の少年だった。逮捕時には30歳を超えていたが、犯行時年齢は刑事手続や報道上の扱いを考える重要な要素となった。

水戸地裁で開かれた裁判では本人が起訴事実を認め、2021年2月3日に無期懲役が言い渡された。本人は控訴せず、刑は確定した。

「元少年」と表記されるのは、逮捕時に未成年だったという意味ではない。犯行時に少年だった人物が長い年月を経て成人後に逮捕・起訴されたという、この事件特有の時間経過を示す表現である。

13年という時間があっても、捜査資料と国際的な所在確認が事件をつないだ

原田さんが殺害された2004年から、最初の逮捕が行われた2017年まで13年が経過した。長期未解決となった背景には、関与が疑われた人物の一部が国外にいることもあり、日本国内だけで身柄を確保できない事情があった。

警察はDNA型などの物的資料を保存し、関係者の所在や出入国状況を追い続けた。2017年に日本国内でモリを逮捕できたことで、事件当時の複数人の行動を刑事裁判で具体的に審理する段階へ進んだ。

さらに2019年には、事件当時18歳だった元少年が日本へ戻り、成田空港で逮捕された。本人側から出頭の意思が示され、捜査員が帰国に同行する形で身柄確保へ至った。

2人の裁判ではそれぞれ無期懲役が言い渡されたが、茨城県警は残る共犯者について捜査を続けている。事件発生から20年以上が経過しても、警察上は完結した事件ではない。

有罪が確定したのは検挙された2人で、警察が共犯者として捜査している残る人物には有罪判決がない。2026年も茨城県警は捜査を継続している。

公訴時効制度の変更後も、残る共犯者の捜査は続いている

事件が起きた2004年当時と現在では、殺人罪の公訴時効制度が異なる。2010年の法改正で、人を死亡させた一定の重大犯罪について公訴時効が廃止・延長され、改正時点で時効が完成していない事件にも適用された。

原田さんの事件は長期捜査となったが、2017年と2019年に逮捕された2人は起訴され、公開の刑事裁判で無期懲役が言い渡された。長い年月が経過したことだけを理由に訴追できなくなった事件ではない。

一方、残る共犯者として警察が捜査している人物については、現在も逮捕・起訴・有罪確定の各段階へ進んでいない。公訴時効の説明と、個々の人物の法的状態は分けて記す必要がある。

茨城県警が2026年現在も情報提供を求めていることは、捜査機関が事件全体の解明を継続していることを示している。

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