高知連続保険金殺人事件|坂本春野が夫ら2人を殺害・死刑確定後に病死

公開日 2026年3月9日
最終更新 2026年7月31日
カテゴリー 1980年代 死刑

高知連続保険金殺人事件は、1987年と1992年、高知県室戸市で、保険金を目的として男女2人が殺害された事件である。死刑は執行されず、坂本は2011年1月27日、収容先の大阪医療刑務所で肝臓がんのため死亡した。83歳だった。

POINT
この記事でわかること
  • 坂本春野が知人男性と結婚し、保険を掛けた経緯
  • 妹夫婦と共謀して夫を殺害したと認定された事件
  • 約5年後に同居女性を殺害し、交通事故を装った手口
  • 死亡保険金約5014万円を詐取した経過
  • 坂本が無罪を主張した裁判と自白の信用性
  • 共犯者3人に言い渡された判決
  • 死刑確定後に83歳で病死するまでの経過
項目内容
一般的な呼称高知連続保険金殺人事件、高知保険金連続殺人事件
第1事件1987年1月17日
第2事件1992年8月19日
発生場所高知県室戸市吉良川町の坂本春野宅など
死亡者2人
被害者坂本の夫となった54歳男性、同居していた60歳女性
主犯と認定された人物坂本春野
最初の犯行当時の年齢59歳
事件当時の職業スナック喫茶経営
第1事件の共犯坂本の妹とその夫
第2事件の共犯保険代理店を営んでいた男
主な犯行目的生命保険金を得るため
第1事件の保険金死亡保険金合計約5014万円を詐取
第2事件の保険金保険金を請求したが、殺害が発覚して未遂
一審判決1998年7月29日、高知地裁が死刑
控訴審判決2000年9月28日、高松高裁が控訴棄却
上告審判決2004年11月19日、最高裁が上告棄却
刑の確定死刑確定
坂本春野の死亡2011年1月27日、大阪医療刑務所で病死
死因肝臓がん
現在死刑は執行されず、死亡により収容終了

事件の舞台となった室戸市のスナック喫茶

事件の主な舞台は、高知県室戸市吉良川町にあった坂本春野の自宅と、その隣で経営していたスナック喫茶だった。坂本は店を経営しながら、保険契約や保険金請求に関する知識を持つ人物とも付き合いがあった。2件の殺人はいずれも、坂本と日常的に接触し、同じ住宅や店舗で生活していた人物が標的にされている。

見知らぬ人を狙った事件ではなく、身近な相手を懐柔し、保険契約を結ばせたうえで殺害した計画的な犯行だった。

知人男性とその元妻を自宅へ同居させる

最初の被害男性は、漁業などに携わりながら各地で暮らしていた人物だった。男性には、かつて婚姻関係にあった女性がった。2人は離婚後も同じ場所で生活を続けていたとされている。1986年ごろ、坂本は男性と女性に、自分の家で暮らすよう持ちかけた。

その後、坂本は男性と婚姻届を提出する。最高裁判決は、坂本が甘い言葉を用いて男性を同居させ、戸籍上だけの夫にしたと認定した。男性のかつての妻だった女性も同居を続け、3人が同じ生活圏で暮らす状態となった。

夫となった男性へ2件の生命保険

坂本は妹夫婦と相談し、夫となった男性へ生命保険を掛ける計画を進めた。男性には2件の保険契約が結ばれ、死亡した場合には坂本側へ多額の保険金が支払われる状態となる。最高裁は、保険契約が殺害と保険金詐取を前提とする周到な計画の一部だったと判断した。

結婚生活を築くためではなく、保険契約上の利益を得るため、男性を戸籍上の夫にしたという認定である。坂本は2件の犯行で、被害者との信頼関係や同居生活を殺害計画へ利用した。

1987年1月17日、夫を泥酔させる

最初の殺人は、1987年1月17日に実行された。坂本と妹夫婦は、被害男性に酒を飲ませ、強く酔った状態にした。男性は正常に抵抗したり、危険を察知して逃げたりすることが難しい状態へ陥る。

最高裁判決は、被害者を巧みに懐柔したうえで飲酒させ、泥酔状態になったところを襲ったと認定した。偶発的な口論による犯行ではなく、抵抗力を失わせてから殺害する計画だった。

大きな石で頭部を殴り窒息死させる

泥酔した男性に対し、坂本は大きな石で頭部へ最初の一撃を加えた。その後、男性は共犯者らによって鼻や口をふさがれるなどし、窒息死した。最高裁は、坂本が犯行を立案して主導しただけでなく、自らも殺害の重要な実行行為を行ったと認定している。

被害男性は酒によって抵抗できない状態にされ、複数人から襲われた。裁判所は、犯行態様を冷酷、非情、残忍なものと厳しく評価した。

男性の死亡は当初、殺人と見抜かれなかった

男性の死亡直後、殺人事件として本格的な捜査が行われたわけではなかった。司法解剖は実施されず、病死や事故による死亡のように扱われたとされている。複数人によって計画的に殺害された事実が判明するのは、数年後の捜査が進んでからだった。

遺体から直接得られる証拠が限られていたため、裁判では坂本や共犯者の供述が信用できるかが重要な争点となる。捜査機関は、供述に基づいて大きな石を発見したことなどを、供述の裏付けとした。

死亡保険金約5014万円を詐取

男性の死亡後、坂本側は2件の生命保険について保険会社へ請求した。殺害であることが発覚していなかったため、死亡保険金は支払われる。最高裁判決によると、坂本らが詐取した金額は、合計5014万円余りだった。

坂本は共犯となった妹夫婦へ一部を渡し、残りを自らのために使用したとされている。人の生命を保険金へ換えるため、婚姻、同居、保険契約、飲酒、殺害、請求までを一連の計画として進めた事件だった。

同居女性を次の保険金殺人の標的にする

最初の殺人から約5年7カ月後、坂本は再び保険金目的の殺人を計画した。標的となったのは、最初に殺害された男性のかつての内縁の妻で、坂本宅に同居していた60歳の女性である。女性は坂本が経営するスナック喫茶でも働き、日常生活をともにしていた。

坂本は女性にも2件の保険を掛け、死亡後に保険金を受け取る計画を立てる。第2事件では、保険代理店を営んでいた男が共犯者となった。

保険代理店を営む男と共謀

第2事件の共犯者は、坂本が経営する店へ出入りしていた保険代理店経営者だった。男は保険契約や請求手続きに関わる知識を持ち、坂本の保険関係の手続きを扱っていたとされている。坂本は男と相談し、女性を殺害して交通事故による死亡を装う計画を立てた。

交通事故で死亡したように見せれば、保険会社や警察から殺人を疑われず、保険金を受け取れると考えたものだ。第1事件とは共犯者や偽装方法が異なりますが、保険を掛けた同居人を殺害する構図は共通していた。

1992年8月19日、就寝中の女性を襲う

第2事件は、1992年8月19日に起きた。女性はスナック喫茶の奥にある部屋で、無防備な状態で眠っていた。坂本は眠っている女性へ近づき、大きな石で頭部へ最初の一撃を加える。

その後、坂本と共犯者は女性の鼻や口をふさぐなどし、窒息死させた。女性は坂本を信頼して同じ家で暮らしており、就寝中に襲撃を予測して身を守ることは困難だった。

遺体を路上へ運び交通事故を偽装

女性を殺害した坂本らは、遺体を住宅付近の道路へ運んだ。通行車両にはねられて死亡したように見せかけ、保険会社へ事故死として請求するためである。深夜、道路上に倒れていた女性を通行人が発見し、警察へ通報した。

しかし、遺体の状況や周辺の遺留物などから、単純な交通事故ではない疑いが生じる。最高裁は、殺害後の死体遺棄も、保険金詐取のための罪証隠滅工作だったと認定した。

第2事件では保険金を受け取れず

坂本は女性の死亡後、契約されていた保険について保険金を請求した。しかし、女性の死亡状況が不自然で、殺害された事実が捜査対象となる。保険会社側も請求を疑い、保険金は支払われなかった。

そのため、第2事件で坂本らに成立した財産犯罪は、保険金詐欺の既遂ではなく詐欺未遂である。第1事件では約5014万円を受け取りましたが、第2事件では交通事故偽装が見破られ、目的を遂げられなかった。

坂本自身の事故を装った保険金詐欺

坂本と第2事件の共犯者は、殺人以外の保険金詐欺にも関与していた。最高裁判決では、坂本自身が交通事故に遭った事実を偽装し、保険金約417万円を詐取した事件も認定されている。坂本にとって保険制度は、予期せぬ事故や死亡へ備えるものではなく、虚偽の事故や殺人によって金銭を得る手段となっていた。

裁判所は、2件の殺人だけでなく、繰り返された保険金詐欺も含めて刑事責任を判断している。

1993年、詐欺事件の捜査から4人を逮捕

1992年の女性殺害直後、坂本が殺人容疑で逮捕されたわけではなかった。決定的な物証が乏しく、坂本は事情聴取に対して犯行を否定していた。警察は保険契約、保険料の流れ、坂本らの過去の請求、共犯者の業務上横領などについて捜査を続ける。

1993年6月、坂本、妹夫婦、保険代理店経営者の4人が詐欺や業務上横領などの疑いで逮捕された。その後の取り調べで2件の殺人に関する供述が得られ、坂本らは殺人容疑でも再逮捕される。

捜査段階では2件の殺人を認める

逮捕後の取り調べで、坂本は夫と同居女性を殺害した経緯を詳しく供述した。共犯者らも、保険契約、飲酒、石による殴打、窒息、遺体の移動などについて供述している。供述に基づいて、殺害に使われたとされる石や、犯行状況を裏付ける証拠も調べられた。

検察側は、供述の内容が具体的で、実際に犯行へ関与した人物でなければ説明できない事実を含むと主張した。坂本は一審の初公判でも、当初は起訴された事実を認めている。

公判途中から夫殺害を否認

坂本は公判の途中から、夫の殺害へ関与していないと主張するようになった。捜査段階の自白は警察や検察から強要されたもので、信用できないと訴える。最初の事件では司法解剖が行われておらず、遺体から死因を再確認することもできなかった。

そのため弁護側は、自白以外に殺人を裏付ける十分な証拠がないとして、無罪を主張した。共犯者側も供述を変化させ、互いに責任を押し付けるような主張を行った。

控訴審では女性殺害も否認

坂本は一審で、同居女性を殺害した事件については一定の関与を認めていた。しかし、控訴審では主張を変え、女性の殺害は保険代理店経営者が単独で行ったと訴えた。夫の殺害に続き、2人目の殺害についても自らの責任を否定した形である。

高松高裁は、坂本らの捜査段階の供述には信用性があり、客観的証拠とも符合すると判断した。主張の変化には合理的な理由がなく、刑事責任を免れるための弁解だとして退けている。

裁判所が自白を信用した理由

裁判では、捜査段階の自白が任意に行われ、信用できるものだったかが重要な争点となった。高知地裁は、坂本らの供述が具体的で、犯行を実際に経験した人物でなければ語れない内容を含むと判断した。複数の関係者の供述が重要部分で一致し、保険契約や金銭の流れとも整合していた。

さらに、供述をもとに犯行に使われたとされる石が確認されたことなども、信用性を裏付ける事情とされる。一審、控訴審、最高裁はいずれも、自白を強要されたとする坂本側の主張を退けた。

坂本春野が首謀者と認定された理由

2件の殺人には、それぞれ異なる共犯者が関わっていた。それでも裁判所は、坂本が従属的に協力した人物ではなく、両事件を主導した首謀者だったと認定している。

  • 保険金を得る目的で被害者を自宅へ同居させた
  • 被害者との婚姻や保険契約を進めた
  • 共犯者へ犯行を持ちかけ、殺害計画を立案した
  • 被害者を飲酒させるなど、抵抗できない状態を作った
  • 2件とも自ら石で頭部へ最初の一撃を加えた
  • 殺害後に保険金請求や遺体の偽装を進めた

最高裁は、坂本が犯行の計画から実行、保険金請求まで中心的な役割を果たしたと指摘した。

1998年7月29日、高知地裁が死刑判決

1998年7月29日、高知地裁は坂本春野に死刑を言い渡した。判決は、2件とも金銭だけを目的とし、被害者を巧みに利用した計画的な殺人だと指摘している。被害者を泥酔させたり、就寝中を狙ったりして、抵抗できない状態で襲った点も厳しく評価された。

坂本に重大な前科がなかったことや、貧しく恵まれない環境で育った事情なども考慮されている。それでも、2人を保険金のために殺害し、坂本自身が首謀者として行動した責任は極めて重大だと判断された。

共犯者3人に言い渡された判決

一審では、坂本以外の共犯者3人にも有罪判決が言い渡された。

関係関与した事件一審判決その後
坂本の妹第1事件無期懲役控訴棄却後に確定
妹の夫第1事件無期懲役控訴棄却後に確定
保険代理店経営者第2事件など懲役15年最高裁で確定

裁判所は、妹夫婦や保険代理店経営者にも重大な責任があるとした。一方、2件を計画し、被害者選びや保険契約を主導した坂本の責任が最も重いと判断している。

2000年、高松高裁が死刑を支持

坂本側は、高知地裁の判決を不服として高松高裁へ控訴した。控訴審でも、自白の信用性、犯行への関与、死刑制度の合憲性、量刑の重さなどが争われている。2000年9月28日、高松高裁は坂本側の控訴を棄却した。

捜査段階の供述は十分に信用でき、2件の犯行で坂本が主導的な役割を果たしたという一審の認定を支持している。死刑が憲法に違反するという弁護側の主張も退けられた。

2004年、最高裁で死刑が確定

坂本側は高松高裁判決を不服として、最高裁へ上告した。2004年11月19日、最高裁第二小法廷は坂本側の上告を棄却した。最高裁は、2件の殺人がいずれも保険金目的であり、動機に酌量の余地はないと指摘している。

抵抗できない被害者の頭部を石で殴り、鼻や口をふさいで窒息死させた態様を、冷酷、非情、残忍と評価した。坂本が首謀者として計画を立て、自らも重要な実行行為を行ったことを重視している。貧しく恵まれなかった成育歴などを十分に考慮しても、死刑はやむを得ないという判断だった。

77歳で死刑が確定

最高裁判決時、坂本は77歳だった。当時、戦後に死刑が確定した女性としては、極めて高齢の事例として注目されている。刑事裁判では、被告人の年齢も量刑上の事情として検討される。

しかし、高齢であることだけを理由に死刑を回避する制度ではない。最高裁は、坂本の年齢や生育歴よりも、2件の計画的な保険金殺人と、首謀者としての責任を重く評価した。

死刑確定後は大阪拘置所へ収容

死刑確定後、坂本は大阪拘置所へ収容された。四国地方の拘置施設には死刑執行設備がないため、四国の裁判所で死刑が確定した人物が大阪へ移送されることがある。坂本に対する死刑は、確定後も執行されなかった。

高齢となった坂本は、拘置所で生活を続ける中で病気が見つかり、医療施設で治療を受けることになる。

2011年1月27日、肝臓がんで病死

坂本は2010年ごろ、体内に腫瘍が見つかり、治療を受けていたとされている。大阪拘置所から大阪医療刑務所へ移され、医療措置が続けられた。2011年1月27日、坂本春野は肝臓がんのため死亡した。83歳だった。

2004年の死刑確定から、約6年2カ月後のことである。死刑は執行されず、坂本の死亡によって刑の執行は不可能となった。

坂本春野は死刑執行済みではない

坂本について、死刑判決が確定したことと、死刑が執行されたことは区別する必要がある。坂本は高知地裁、高松高裁、最高裁を経て、死刑判決が確定した死刑確定者だった。しかし、絞首刑による死刑執行を受けた事実はない。

収容中に病気となり、2011年に大阪医療刑務所で死亡した。現在の正確な状況は、死刑確定後に病死である。

保険金殺人が発覚しにくい理由

生命保険金を目的とする殺人では、犯人が被害者の家族や同居人であることが少なくない。日常的に接触できるため、保険契約を勧めたり、飲食物を与えたり、病気や事故を装ったりしやすい立場である。外傷が目立たない窒息や、事故に見せかける方法が使われると、殺人が直ちに発覚しない場合がある。

本事件の第1被害者も、死亡時に殺人と見抜かれず、保険金が支払われた。高額契約直後の死亡、不自然な受取人変更、同じ人物をめぐる請求の繰り返しなどを、保険会社と捜査機関が共有する重要性を示した事件である。

被害者の弱さを利用した犯行

最高裁は、坂本が被害者らを巧みに懐柔し、保険を掛けたと指摘している。被害者は坂本を信じて同居し、日常生活の多くを同じ場所で過ごしていた。坂本はその信頼関係を、保険契約と殺害計画のために利用する。

夫となった男性は泥酔させられ、女性は就寝中に襲われた。いずれも抵抗しにくい状態を選んでいる。被害者の生命を金銭的な利益へ置き換え、身近な関係を利用した点に、本事件の悪質性がある。

高知連続保険金殺人事件の主な時系列

  • 1986年ごろ:坂本春野が知人男性とその元妻だった女性を自宅へ同居させる
  • 1986年9月:坂本が男性と婚姻関係を結ぶ
  • 1986年末:男性へ2件の生命保険を掛ける
  • 1987年1月17日:男性を泥酔させ、妹夫婦と共謀して殺害
  • 男性の死亡後:死亡保険金合計約5014万円を詐取
  • 1992年:同居女性へ2件の保険を掛ける
  • 1992年8月19日:保険代理店経営者と共謀して女性を殺害
  • 同日:女性の遺体を路上へ遺棄し、交通事故を偽装
  • その後:保険金を請求するが、殺害が発覚して未遂に終わる
  • 1993年6月:坂本と共犯者らを詐欺や業務上横領などの疑いで逮捕
  • その後:2件の殺人容疑などで再逮捕、起訴
  • 1998年7月29日:高知地裁が坂本へ死刑判決
  • 同日:妹夫婦へ無期懲役、保険代理店経営者へ懲役15年
  • 2000年9月28日:高松高裁が坂本らの控訴を棄却
  • 2004年11月19日:最高裁が坂本の上告を棄却
  • 2004年:坂本の死刑判決が確定
  • 2011年1月27日:大阪医療刑務所で肝臓がんのため病死

現在の状況|死刑確定後に病死

坂本春野に対する刑事裁判は、2004年に終了している。高知地裁、高松高裁、最高裁はいずれも、坂本が2件の保険金殺人を計画し、首謀者として実行したと認定した。坂本の死刑判決は確定しましたが、死刑が執行される前に病気となった。

2011年1月27日、収容先の大阪医療刑務所で肝臓がんのため死亡している。再審によって無罪になった事実や、有罪判決が取り消された事実はない。現在の正確な状況は、死刑判決が確定した後、刑を執行されないまま病死した元死刑確定者である。

高知連続保険金殺人事件が残したもの

高知連続保険金殺人事件では、坂本春野が身近な男女2人を保険金獲得の対象として選んだ。男性とは婚姻関係を結び、女性とは同居生活を続けながら、それぞれへ生命保険を掛けている。男性は泥酔状態、女性は就寝中という、抵抗することが難しい状況で襲われた。

第1事件では約5014万円の死亡保険金が支払われ、殺人が発覚しないまま約5年が経過している。第2事件では交通事故を装いましたが、不自然な死亡状況と保険請求への疑いから、事件の全容が捜査された。保険制度を悪用し、信頼して同居していた人々の生命を金銭へ換えた点で、極めて利欲的な連続殺人だった。

坂本は無罪を主張しましたが、3段階の裁判所は犯行への関与と主導的役割を認定した。死刑確定後の2011年、刑を執行されることなく病死している。

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