巣鴨三丁目占い師殺人事件|68歳易者が日中のアパートで殺害、2026年も続く公開捜査

公開日 2026年3月23日
最終更新 2026年8月28日

事件ステータス

発生年月日
1998年
都道府県
東京都
事件分類
未解決事件 / 殺人事件
事件状況
未解決

1998年3月5日夕方、東京都豊島区巣鴨3丁目のアパートで、易者の男性(当時68歳)が殺害されているのが見つかった。現場は「とげぬき地蔵」として知られる高岩寺に隣接する建物。警視庁が犯行時間とみるのは、午後3時30分から午後5時ごろまでの間である。

深夜の人気が途絶えた場所ではない。巣鴨地蔵通りに近く、人の動きがある日中の時間帯だった。それでも犯人は特定されず、事件は未解決のまま28年以上が経過した。2026年8月現在も、警視庁の公開捜査一覧と巣鴨警察署の案内に事件名が掲載されている。

一方、警察の公開情報は意図的に限定されている。被害者の氏名、凶器、侵入方法、遺留品、DNA型や指紋の有無、動機、容疑者像などは現行ページでは明らかにされていない。公表されていない部分を推測で埋めると、未解決事件の記録そのものが歪む。

発生日1998年3月5日
犯行時間帯午後3時30分から午後5時ごろまで
発生場所東京都豊島区巣鴨3丁目・とげぬき地蔵に隣接するアパート
被害者易者の男性(当時68歳)
被害首を切られて殺害
捜査巣鴨警察署が情報提供を受付
現在未解決・公開捜査継続
公訴時効2010年改正時に完成前だった殺人事件として時効廃止の対象

午後3時30分から5時まで――警視庁が示す犯行時間帯

警視庁が公式に示している犯行時間帯は1998年3月5日午後3時30分から午後5時ごろまで。被害者は巣鴨3丁目のアパート内で首を切られて殺害された。場所についても「とげぬき地蔵に隣接するアパート」と明記されている。

未解決事件の記事では、発見時刻と犯行時刻が混同されやすい。本件で警視庁が情報提供を求めているのは、あくまで午後3時30分から5時ごろの時間帯を軸にした目撃や音、車両などの情報だ。後年資料にある発見時の細部と、警察が現在も捜査上の基準として示す時間帯は分けて扱う必要がある。

被害者は68歳の易者、現場は仕事場だったと伝えられている

警視庁の公開ページでは被害者を「易者の男性(当時68歳)」としている。後年の事件記録では男性の氏名を新藤武雄さんとし、アパートの一室を仕事場として使用していたこと、夕方に家族が訪れて死亡を発見したことが伝えられている。

ただし、こうした細部のすべてが現在の警察ページに掲載されているわけではない。記事で扱う際は、警察が現在も公表する骨格と、当時報道を基にした後年資料の記述を同じ確度で並べないことが重要になる。

「とげぬき地蔵に隣接」という場所情報が残されている理由

警視庁は住所だけでなく、現場が「とげぬき地蔵」に隣接していたことを現在も明記している。事件発生当時の周辺を知る人に記憶を呼び起こしてもらうため、目印となる場所情報には意味がある。

巣鴨の地蔵通り周辺は商店や参拝者の往来がある地域だが、人通りが多いことが犯人の目撃につながるとは限らない。建物への出入りが日常の訪問に見えれば、不審と認識されないこともある。警視庁が今なお「不審な人、車両」を幅広く求めているのは、当時は意味を持たなかった記憶が後から手掛かりになる可能性があるためだ。

警視庁が現在も求める三つの情報

警視庁の事件ページは、情報提供の例として三つの項目を挙げている。第一は発生場所付近で争う声を聞いた人、第二は付近で不審な人や車両を見た人、第三は事件への関与を自慢げに話したり、事件に異常な興味を示した人物を知る人である。

  • 発生場所付近で争う声を聞いた
  • 付近で不審な人物や車両を見た
  • 事件への関与を自慢げに話した、または事件に異常な興味を示した人物を知っている

ここには、特定の性別、年齢、服装、逃走方向、車種などは示されていない。公開情報だけから犯人像を狭める根拠はない。SNSや掲示板で特定人物を疑う材料に使える情報でもない。

後年資料に残る「現金が残っていた」という記述

当時報道を引用する後年資料では、被害者の衣服に現金入りの財布や預金通帳が残っており、金品を奪われた形跡が乏しかったとされる。また、玄関付近から浴室へ続く血痕があったとの記述もある。

これらは犯行状況を考えるうえで重要な情報だが、警視庁の現在の公開ページでは確認できない。したがって「金銭目的ではなかった」「怨恨だった」と結論づけることはできない。仮に金品が残っていたとしても、それだけで動機が一つに決まるわけではない。

犯人と被害者に面識があったかも確定していない

易者という職業上、被害者には相談者が訪れる機会があったと考えられるが、これは職業から一般的に想像できる事情にすぎない。犯人が客を装ったのか、知人だったのか、無関係の人物だったのかを示す捜査結果は公開されていない。

玄関の施錠状況などを根拠に面識を断定する記事もあるが、現在の警察公表にそのような人物関係の認定はない。未解決事件では「入りやすかった」ことと「顔見知りだった」ことを結び付けない慎重さが必要になる。

公表されていない証拠を「存在しない」と扱えない

警視庁のページには、指紋、DNA型、毛髪、凶器、足跡、遺留品などの鑑定情報が載っていない。しかし、公開ページに書かれていないことは、捜査機関がその証拠を保有していないことを意味しない。

長期未解決事件では、捜査上の理由から詳細を非公表にすることがある。後年の鑑定技術向上によって保存資料が新たな意味を持つ場合もあるため、証拠の有無や再鑑定の状況を推測で記述することは避けるべきだ。

2010年の法改正で殺人罪の公訴時効は廃止された

本件は1998年発生である。当時の殺人罪には公訴時効が存在したが、2010年4月27日の刑法・刑事訴訟法改正で、人を死亡させた罪のうち法定刑の上限が死刑となる犯罪について公訴時効が廃止された。

法務省資料によると、改正時点ですでに公訴時効が完成していた事件には新制度を適用しない一方、完成前の事件には改正後の規定が適用される。本件は1998年発生で、改正時に旧時効が完成していなかった。したがって、現在は時効完成によって起訴の可能性が失われる事件ではない。

時効がなくても、事件が自動的に解決へ近づくわけではない

公訴時効の廃止は、年月が経っても証拠がそろえば起訴できる法的状態を維持する制度である。一方で、時間の経過は目撃者の記憶、関係者の所在、物証の保存などに影響する。時効がなくなったことと、捜査上の難しさが消えたことは別問題だ。

そのため公開捜査の情報提供は、事件当日に現場を見た人だけを対象にしていない。後から知人が犯行をほのめかした、事件への不自然な関心を示していた、といった情報も呼びかけの対象になっている。

2026年も巣鴨警察署の「公開捜査中の事件」に掲載

警視庁の個別事件ページの更新日は2021年9月21日だが、巣鴨警察署の「情報を求めます」には現在も「平成10年 巣鴨三丁目占い師殺人事件」が公開捜査中の事件として掲載されている。警視庁の事件・罪種別一覧にも残っている。

つまり、ページ更新日が古いから捜査が終了したということではない。2026年8月時点で、犯人の逮捕、被疑者死亡による送検、起訴、刑事判決など、事件解決を示す公表はない。

28年後も残っているのは、時間帯・場所・被害と情報提供の呼びかけ

現在公的に確認できる事件の骨格は明確だ。1998年3月5日、巣鴨3丁目のとげぬき地蔵に隣接するアパートで、68歳の易者が首を切られて殺害された。警察は午後3時30分から5時ごろを犯行時間帯とみている。

一方、誰が、なぜ男性を殺害したのかは確定していない。未解決事件の記事で価値があるのは、空白を推理で埋めることではなく、警察が現在も求めている具体的な情報と、公表されていない部分の境界を保つことだ。

参考資料・出典

警視庁「巣鴨三丁目占い師殺人事件」

巣鴨警察署「情報を求めます」

警視庁「公開捜査一覧(事件・罪種別)」

法務省「刑事訴訟法における公訴時効に関する改正」

未解決事件どっとこむ「巣鴨占い師殺人事件」(当時報道の整理)

関連事件

同じテーマの書籍を探す

この事件に関連するテーマから、書籍・資料をまとめて確認できます。