川口市並木地内不動産業者殺人事件|白いマスクの男、24年以上続く公開捜査

公開日 2026年3月24日
最終更新 2026年8月28日

事件ステータス

発生年月日
2002年
都道府県
埼玉県
事件分類
未解決事件 / 殺人事件
事件状況
未解決

2002年1月24日午後5時30分ごろ、埼玉県川口市並木4丁目の不動産会社で、代表者の男性(当時65歳)が腹などを刃物で刺されて殺害された。男性は事務所内から一人の男を追うように外へ出て、出入口付近で倒れた。

埼玉県警は、事件当時30歳前後、身長約175センチ、中肉で、黒っぽい服、白色マスク、ショルダーバッグ姿の男を犯人とみている。公開捜査ページは2025年12月にも更新され、2026年8月現在も川口警察署が情報提供を受け付けている。

発生日時2002年1月24日午後5時30分ごろ
場所埼玉県川口市並木4丁目
現場不動産会社事務所出入口
被害者会社代表の男性(当時65歳)
被害腹などを刃物で刺され死亡
目撃された男30歳前後、身長約175センチ、中肉
服装黒っぽい服、白色マスク
所持品ショルダーバッグ
現在未解決・公開捜査中

西川口駅から東へ約450メートル、商店街の不動産会社

埼玉県警によると、現場はJR京浜東北線西川口駅から東へ約450メートル。マンションや店舗が建ち並ぶ駅前商店街の一角だった。事件が起きたのは木曜日の午後5時30分ごろで、冬の日没後に当たる時間帯だった。

警察が現在公表しているのは、事務所出入口で男性が刺されて倒れたことと、その直前に事務所内から男を追うように出てきたという状況である。事務所内でどのような会話ややり取りがあったのかは公開されていない。

被害男性は、事務所内にいた男を追うように外へ出た

県警が犯人像を示す根拠になっているのが、男性の直前の行動だ。男性は事務所内から、黒っぽい服と白いマスクを着けた男を追うように出入口へ向かい、そこで倒れた。

警察はこの男を犯人とみて情報を求めている。男が不動産会社の客だったのか、被害者と以前から面識があったのか、どの程度の時間事務所にいたのかは、現在の公式ページには掲載されていない。

30歳前後、175センチ、中肉――公開された人物像

公開捜査ポスターに示された特徴は、事件当時30歳前後、身長175センチくらい、体格は中肉。黒っぽい服を着て、白いマスクを着用し、ショルダーバッグを掛けた男というものだ。

ポスターには後ろ姿のイメージが掲載されているが、顔立ち、髪形、靴、具体的なバッグの形や色までは示されていない。公開情報を超えて人物像を細かく作ることはできない。

白いマスクは、県警が現在も掲げる重要な目撃特徴

事件は2002年1月に起きた。現在と比べると、日常生活で長時間マスクを着用する人が一般的になった時期より前であり、県警は白いマスクを男の主要特徴の一つとして公開ポスターへ記載している。

ただし、マスクをしていたという一点だけで人物を特定できるわけではない。年齢、身長、体格、服装、ショルダーバッグ、現場にいた時刻や場所を組み合わせて、当時の目撃記憶と照合する必要がある。

凶器は刃物。種類や入手経路は公表されていない

被害男性は腹などを刃物で刺されて死亡した。現在の埼玉県警ページと公開ポスターは「刃物」とのみ記載しており、包丁、ナイフなど具体的な種類は示していない。

刺突回数、凶器が現場に残されたか、持ち去られたか、刃物の購入先や入手経路についても公開されていない。未解決事件では、捜査上重要な情報のすべてが公開されるわけではない。

事件名は「殺人」であり、強盗殺人とはされていない

不動産会社内で発生した事件だが、埼玉県警が現在使用している事件名は「川口市並木地内不動産業者殺人事件」である。強盗殺人としては公表していない。

事務所から現金や契約書類が奪われたのか、金銭や不動産取引をめぐるトラブルがあったのかという情報も現行資料にはない。そのため、金品目的、仕事上の怨恨、私的なトラブルなど特定の動機を事実として書く根拠はない。

徒歩で逃げたのか、車両を使ったのかも分かっていない

県警は情報提供の例として、現場付近で不審な人物や車両を目撃した場合も連絡するよう求めている。しかし、男が特定の車、バイク、自転車などを使って逃走したと発表しているわけではない。

西川口駅方向へ徒歩で移動したのか、別方向へ逃げたのかも公表されていない。現在の捜査で特定の逃走経路が想定されているとしても、その内容は公開情報からは分からない。

被害者氏名も、現在の公開ページでは明らかにされていない

埼玉県警の現行ページは、被害者を「不動産会社の代表者の男性、当時65歳」と記載している。氏名や住所、家族構成、経歴は掲載していない。

古い新聞記事などで名前が伝えられている可能性があっても、現在の公式公開捜査資料が匿名で情報提供を求めている以上、確認できない氏名を推測して補う必要はない。事件理解に必要な中心事実は、65歳の会社代表が勤務先で殺害されたことにある。

24年以上続く公開捜査で、県警が求めるのは「ささいな情報」

埼玉県警の未解決凶悪事件一覧には本件が現在も掲載されている。事件ページは2025年12月1日更新で、川口警察署刑事課が代表電話と専用フリーダイヤルを設け、情報提供を受け付けている。

県警が例示する情報は、「犯人を知っている」場合だけではない。現場付近で不審な人物や車両を目撃した、事件に関連するか分からないが話したいことがある、といった内容も対象にしている。

情報提供者の秘密は厳守すると県警が明記

長期未解決事件では、何年も前の記憶を警察へ伝えることにためらいを感じる人もいる。埼玉県警は事件ページで、情報提供者の秘密を厳守すると明記している。

事件当時には意味がないと思われた人物や車の記憶が、警察の保有する非公開資料と照合することで意味を持つ場合がある。公開捜査を継続する目的は、現在公表されている数少ない特徴だけから一般の人に犯人を断定させることではない。

2004年の「25年延長」は本件に適用されず、2010年改正で時効が消えた

事件当時、殺人罪の公訴時効は15年だった。2004年改正で死刑に当たる罪は25年へ延長されたが、経過規定により改正前に犯した罪は従前の期間によるとされていたため、2002年発生の本件の時効期間がこの時点で25年へ延びたわけではない。

転機は2010年改正だった。人を死亡させた罪のうち死刑に当たるものを公訴時効の対象から外し、さらに2004年改正前の犯罪でも、2010年の施行時に旧時効がまだ完成していなければ新制度を適用すると定めた。本件は旧15年なら2017年まで時効完成前だったため、2010年改正によって時効のない事件となった。

未解決であることと、警察が「何も分かっていない」ことは同じではない

県警が公開している情報は限定されているが、捜査機関が保有する証拠や聞き込み結果のすべてが公開されているわけではない。公開されていない事実を、存在しない情報として扱うこともできない。

一方で、記事側が空白を推測で埋めることもできない。現在公表されている人物像、事件時刻、現場、被害態様、情報提供窓口を基準にし、その外側にある動機や逃走経路は未公表のまま残すことが適切になる。

2026年8月現在も、白いマスクの男の氏名は公表されていない

事件から24年以上が経過した2026年8月27日時点でも、埼玉県警はこの事件を未解決凶悪事件として公開している。逮捕された人物や起訴された人物は公表されていない。

県警は目撃された男を犯人とみているが、その男の氏名や所在、動機は明らかになっていない。現在も求められているのは、2002年1月24日午後5時30分ごろの並木4丁目で見た人物や車両、当時の行動に関する具体的な記憶である。

公開ポスターは「顔写真」ではなく後ろ姿のイメージ

埼玉県警のポスターに描かれているのは、目撃された男の後ろ姿を示すイメージである。顔写真や似顔絵ではないため、画像だけを見て特定人物へ結び付ける資料ではない。

警察が提示しているのは、年齢層、身長、体格、服装、白いマスク、ショルダーバッグという組み合わせだ。人物を知っているという直接情報だけでなく、当時この条件に近い人を見た記憶を集めるための公開資料といえる。

氏名不詳の男であるため、特定人物の「指名手配事件」ではない

現在の県警ページには、容疑者の氏名や顔写真、指名手配番号は掲載されていない。警察は目撃された男を犯人とみているが、身元を特定した人物を全国に手配している事件とは状況が異なる。

未解決凶悪事件一覧に掲載し、目撃された特徴から情報を集める段階が続いている。氏名が判明している逃亡被疑者の記事と同じように「犯人は誰々」と書けないのは、この事件の捜査上の現在地そのものでもある。

埼玉県警は電話だけでなくオンラインの情報提供窓口も設ける

事件ページでは川口警察署刑事課の代表電話、専用フリーダイヤルに加え、SSL暗号化フォームからの情報提供も案内している。事件から長い時間が経過した現在でも、当時の情報を受け取る窓口は閉じられていない。

県警は、情報を提供した人の秘密を厳守するとしている。直接犯人を知る情報でなくても、現場付近の不審人物や車両、後から気になった知人の行動などを既存捜査資料と照合することが、長期公開捜査の一つの目的になる。

2025年12月の更新後も未解決凶悪事件一覧に掲載

埼玉県警の個別事件ページは2025年12月1日に更新され、未解決凶悪事件一覧にも本件が掲載されている。2026年8月27日時点で、逮捕や起訴を知らせる県警発表はなく、公開捜査の状態が続く。

24年以上という経過だけで事件が法的に終了したわけではない。2010年の時効廃止と現在の公開捜査を合わせると、身元が特定され有罪となった人物はいない一方、将来証拠が整えば刑事責任を問うことが可能な未解決殺人事件として残っている。

参考資料・出典

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