2007年1月15日午後7時45分ごろ、京都市左京区岩倉幡枝町の歩道で、京都精華大学マンガ学部1年の千葉大作さん(当時20歳)が刃物で襲われた。千葉さんは大学を出て自転車で移動中だった。警察協会の記録では友人宅へ向かう途中で、十数か所を刺され死亡したとされる。
現場では、千葉さんと接触していた若い男が目撃されている。京都府警は当時20~30歳、身長170~180センチ、センター分けの髪、上下黒っぽい服装、黒っぽいママチャリ風自転車などの特徴を公開している。しかし男の身元は19年以上たった現在も特定されていない。2026年も捜査特別報奨金制度の対象で、上限300万円の応募期間は12月13日まで続く。
| 発生日 | 2007年1月15日午後7時45分ごろ |
|---|---|
| 場所 | 京都市左京区岩倉幡枝町の歩道上 |
| 被害者 | 千葉大作さん(当時20歳) |
| 所属 | 京都精華大学マンガ学部1年 |
| 当時の移動 | 自転車で大学から友人宅方面へ移動中 |
| 目撃された男の年齢 | 当時20~30歳 |
| 身長 | 170~180センチ |
| 服装等 | 上下黒っぽい服装、センター分けの髪 |
| 自転車 | 黒っぽいママチャリ風 |
| 捜査特別報奨金 | 上限300万円・2026年12月13日まで |
| 現在 | 未解決、下鴨署捜査本部が捜査継続 |
大学を出て数分、友人宅へ向かう途中で襲われた
千葉さんは仙台市出身で、京都精華大学マンガ学部に進学していた。警察協会の資料では、事件当夜、大学の駐輪場から自転車で友人宅へ向かう途中だったとされる。日常の移動の中で発生したため、警察は大学関係者や交友関係だけでなく、現場周辺を通行した人物まで広く調べる必要があった。
事件前に千葉さんが特定人物から継続的に脅されていた、あるいは重大な対立を抱えていたとする公的発表はない。目撃された男と以前から面識があったのか、その場で初めて接触したのかも判明していない。二人の面識の有無や、男が千葉さんに接触した理由は現在も判明していない。
現場で目撃されたのは、自転車に乗った若い男
京都府警は、事件当時に目撃された男の特徴を詳細に公開している。年齢20~30歳、身長170~180センチ、髪はセンター分けでやや乱れ、上下とも黒っぽい服装。黒っぽいママチャリ風の自転車に乗っていたとされる。
2026年の京都新聞報道では、軽登山靴を履いていたとの捜査情報も紹介された。一方、現在の京都府警公式ページが中心的に示しているのは年齢、身長、髪型、服装、自転車、興奮時の言動である。似顔絵や目撃特徴は記憶をもとにした資料であり、細部まで写真のように一致する人物だけを対象にするものではない。
「アホ、ボケ」を繰り返す特徴的な言動
京都府警の公開情報には、男が興奮すると顔や上半身を左右に振り、言葉尻に「アホ、ボケ」を連発し、目の焦点が合っていないように見えたという目撃情報が載る。未解決事件の人物情報としては珍しいほど具体的な行動特徴だ。
警察が公開しているのは、事件当時の目撃者が見聞きした言動であり、男の健康状態などに関する医学的な情報は公表されていない。この特徴は、当時の男を知る人物から情報を得るための手掛かりとして公開されている。
千葉さんは十数か所を刺されたとされる
警察協会の捜査本部事件資料や近年の報道では、千葉さんは刃物で十数か所を刺されたとされる。2026年の京都新聞も、男が千葉さんの胸や腹を刃物で刺して殺害したとの捜査本部の説明を伝えている。
具体的な傷の一つ一つを生々しく描く必要はないが、攻撃が一度きりではなかった事実は、事件の性質を理解するうえで重要になる。偶然の接触があったとしても、なぜ複数回の刺突に至ったのかは解明されていない。男が刃物を事前に持っていた理由や、犯行後にどこへ処分したのかも公表されていない。
目撃された口論だけでは、動機は決められない
事件直前に千葉さんと男が言い争うような状況が目撃されたとする報道がある。そのため、自転車同士の通行をめぐる衝突や、その場の口論が発端だったと説明されることもある。
京都府警は動機を公表しておらず、二人に面識があったのか、男が千葉さんを事前に狙っていたのか、その場で偶然接触したのかも判明していない。事件直前の言い争いだけでは、殺害に至った理由までは確定できない。
捜査は似顔絵だけでなく、当時の生活圏と自転車も追ってきた
男が黒っぽいママチャリ風の自転車を使っていたという情報は、逃走手段だけでなく生活圏を考える材料にもなる。男は自転車で現場を離れたとみられているが、当時の居住地や通勤・通学先など生活圏は特定されていない。
19年が経過し、当時20~30歳だった男は現在なら39~49歳程度になる。髪形や服装は変わっていても、顔立ち、身長、話し方、興奮時の癖、2007年当時に使っていた自転車や生活場所に関する記憶は、現在の人物へつなぐ手掛かりになり得る。
延べ6万8千人超を投入しても、2025年時点で未解決
東北放送は事件18年となった2025年1月、警察がそれまでに延べ6万8,285人を捜査へ投入し、1,502件の情報提供を受けたと報じた。それだけの人員と情報が積み上がっても、男の特定には至っていない。
情報件数の多さは、そのまま有力情報の多さを意味しない。似た人物に関する情報、地域でのうわさ、当日の通行記録などを一つずつ照合し、事件との関係を確認する必要がある。時間の経過で記憶が薄れる一方、別事件の捜査や新たな証言から古い情報の意味が変わることもある。
同級生は漫画で千葉さんと事件を伝え続けている
千葉さんはマンガを学ぶ学生だった。事件後、同級生で漫画家となった榎屋克優さんは、千葉さんや事件を題材とした作品を描き、情報提供につなげる活動を続けてきた。2026年1月の東北放送取材でも、「こんなに経っても犯人が捕まらないとは思っていなかった」と語っている。
遺族と大学関係者、同級生が長く発信を続けてきた背景には、年月が進むほど新しい学生や京都へ移り住んだ人が事件を知らなくなるという問題がある。漫画や冊子は、警察の似顔絵だけでは届かない層へ事件の経過を伝える役割を果たしてきた。
2026年1月15日、事件から19年の呼びかけ
事件から19年となった2026年1月15日、現場では法要が行われ、母の淳子さんら遺族、大学関係者、地元住民などが参列した。その後、遺族と京都府警の捜査員は四条河原町で漫画冊子やポケットティッシュを配り、情報提供を呼びかけた。
京都新聞によると、淳子さんは前年に発生から長期間を経た別の殺人事件で容疑者が逮捕されたことに触れ、時間がたっても罪がそのままになるわけではないとの思いを語った。下鴨署長も、どんな情報も無駄にせず捜査するとして協力を求めている。
捜査特別報奨金は2026年12月13日まで
警察庁は2025年12月14日から2026年12月13日まで、本件を捜査特別報奨金制度の対象としている。上限額は300万円。被疑者の検挙または事件解決につながる情報を提供した人に、寄与度に応じて支払われる仕組みだ。
報奨金は「男の名前を知っている人」だけが対象ではない。事件当時の行動、似た自転車、刃物や衣類の処分、事件後に急に京都を離れた人物など、既存の捜査資料と結びついて解決へ寄与すれば対象となり得る。情報受付は京都府下鴨警察署の捜査本部で、フリーダイヤルも設けられている。
殺人罪に公訴時効はなく、19年という経過で捜査は終わらない
2010年の刑事訴訟法改正で、人を死亡させた罪のうち死刑に当たるものは公訴時効の対象外となった。改正時点で時効が完成していなかった事件にも適用されるため、2007年発生の本件は年月の経過だけで刑事責任追及ができなくなる事件ではない。
2026年8月現在、目撃された男の逮捕・起訴は公表されていない。したがって、その男を特定人物と結びつけたり、ネット上の説を犯人像として扱ったりする根拠はない。警察が公開している目撃特徴と、19年間に積み上げた捜査資料をつなぐ具体的な情報が、なお求められている。
参考資料・出典
- 京都府警察「左京区岩倉幡枝町における大学生殺人事件」
- 警察庁「捜査特別報奨金に関する広告(令和7年12月7日)」
- 警察庁「捜査特別報奨金制度の実施」
- 公益財団法人警察協会「捜査本部事件・精華大マンガ学部千葉大作さん殺害事件」
- 京都新聞「京都精華大生殺害事件から19年、母ら情報提供呼びかけ」
- 千葉日報(共同通信)「京都精華大生刺殺から19年」
- TBS NEWS DIG/東北放送「京都精華大学殺人から19年 同級生の漫画家が思い語る」
- TBS NEWS DIG/東北放送「京都精華大生殺害から18年」
- 法務省「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」
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