福岡3女性連続強盗殺人事件|通学・通勤中の女性を追い、1か月で3人を殺害

公開日 2026年3月4日
最終更新 2026年7月31日
カテゴリー 2000年代 性犯罪 死刑

福岡3女性連続強盗殺人事件は、2004年12月12日から2005年1月18日までの約1か月間に、福岡県飯塚市、北九州市、福岡市で、18歳、62歳、23歳の女性3人が相次いで襲われ、殺害された事件である。

鈴木泰徳は、深夜・早朝に一人で歩く女性を見つけて追跡し、性暴力や金品奪取を目的として襲い、発覚を防ぐため殺害したと認定された。被害者同士に関係はなく、日常の通学・通勤・移動中に突然標的となった。

福岡地裁は2006年11月13日、3人死亡の結果と反復性を重く評価して死刑を言い渡した。福岡高裁、最高裁も維持し、2011年3月に確定。2019年8月2日、福岡拘置所で死刑が執行された。

POINT
この記事でわかること
  • 福岡県内で起きた3件の犯行の流れ
  • 飯塚・小倉・博多の各事件で何があったのか
  • 鈴木泰徳が問われた罪名と裁判の争点
  • 死刑判決に至った理由と裁判所の判断
  • 最高裁で死刑が確定した時期
  • 2019年の死刑執行を含む現在の状況

福岡3女性連続強盗殺人事件の概要

項目内容
一般的な事件名福岡3女性連続強盗殺人事件
発生時期2004年12月〜2005年1月
発生場所福岡県飯塚市、北九州市、福岡市
被告人鈴木泰徳
被害者女性3人(18歳、62歳、23歳)
主な罪名強盗殺人、強盗強姦、強盗強姦未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反
一審判決2006年11月13日、福岡地裁が死刑
控訴審判決2008年2月7日、福岡高裁が控訴棄却
上告審判決2011年3月8日、最高裁が上告棄却
その後2019年8月に死刑執行
現在刑事手続は終了

裁判所の判決文では、この事件は「飯塚事件」「小倉事件」「博多事件」の3件として整理されています。

いずれも通行中の女性を狙った犯行で、強盗目的が共通していました。さらに1件目と3件目では、性的暴行またはその目的も認定されています。偶発的な殺人ではなく、女性を狙い、暴行し、発覚防止のために命を奪うという流れが繰り返された点が、この事件の重さです。

1件目・飯塚事件|18歳の専門学校生が犠牲に

最初の犯行は、2004年12月12日深夜、福岡県飯塚市で起きました。 判決によると、鈴木泰徳は一人で歩いていた当時18歳の女性を公園内へ引きずり込み、首を絞めて抵抗を封じたうえで性的暴行を加え、その後、犯行が発覚するのを恐れてさらに首を絞め、窒息死させました。

もともとは金品を奪う目的もありましたが、通行人らに目撃されることを恐れて逃走したため、この事件では金品の強取は遂げていません。裁判所は、強盗殺人と強盗強姦が成立すると認定しました。

2件目・小倉事件|62歳女性を刺殺しバッグを奪う

2件目は、2004年12月31日早朝、北九州市内で発生しました。

被害者は当時62歳の女性です。判決では、鈴木が刺身包丁で胸部や背部を多数回刺し、失血死させたうえで、現金約6000円などが入った手提げバッグを奪ったと認定されています。

この事件では、性犯罪目的ではなく、金品奪取を目的とした強盗殺人が中心です。被害者の抵抗を排除するために刃物で襲った点も重く見られました。さらに、犯行の際に包丁を不法に携帯していたとして、銃刀法違反も問われています。

3件目・博多事件|23歳女性を襲い、再び命を奪う

3件目は、2005年1月18日早朝、福岡市内で起きました。

被害者は当時23歳の女性でした。判決によると、鈴木は女性を公園内に引きずり込み、顔面を殴るなどの暴行を加えて性的暴行をしようとしましたが、目撃を恐れてその目的を断念。その一方、包丁で背部や腹部を刺し、現金約1000円などが入ったバッグを奪っています。

この事件では、強盗殺人と強盗強姦未遂が認定されました。1件目と同じく、性犯罪目的と強盗目的が重なり、最後は発覚防止のため殺害へ至ったと判断されています。

鈴木泰徳はなぜ死刑判決を受けたのか

死刑が選ばれた最大の理由は、3人の命が奪われた結果の重大さです。

ただ、被害者数だけで結論が出たわけではありません。裁判所は、夜道を一人で歩く女性を狙っていること、性欲と金欲を満たすための身勝手な動機であること、犯行態様が執拗で残虐であること、そして被害者側に何の落ち度もないことを重く見ました。

加えて、1件ごとに偶発的に起きたというより、似た手口で犯行が繰り返されており、危険性の高さも際立っていました。裁判所は、罪刑の均衡や一般予防の観点からも極刑はやむを得ないと判断しています。

裁判で争われたポイント|強盗目的、性的目的、殺意、自首の成否

控訴審判決を見ると、弁護側はさまざまな点を争っていました。

  • 各事件に強盗目的があったのか
  • 1件目と3件目に性的目的があったのか
  • 2件目や3件目で殺意が認められるのか
  • 被告人に完全責任能力があったのか
  • 捜査段階での申告が自首に当たるのか

しかし福岡高裁は、いずれの主張も採用しませんでした。金に困っていた事情や、被害者の選び方、犯行態様、供述内容などから強盗目的を認定し、責任能力も認めています。自首についても、法的に成立しないと判断されました。

借金と欲望が背景にあった犯行

一審判決では、鈴木泰徳の生活状況にも触れられています。

もともとは自動車整備工場で働き、家庭も持っていました。しかし、飲酒やパチンコなどにより借金を重ね、家計への不満や生活上のストレスもあって、金銭面の行き詰まりを深めていったと認定されました。

もちろん、借金や家庭不和があったからといって、こうした凶悪犯罪が正当化されることはありません。むしろ裁判所は、自分の欲望や不満を解消するために、何の関係もない女性たちを狙った点を厳しく非難しています。

一審から死刑確定、そして2019年の執行まで

福岡地裁は2006年11月13日、鈴木泰徳に死刑を言い渡しました。

続く福岡高裁は2008年2月7日、一審判決を支持して控訴を棄却。さらに2011年3月8日、最高裁第三小法廷が上告を棄却し、死刑が確定します。

その後、鈴木泰徳は福岡拘置所に収容され、2019年8月に死刑が執行されました。事件発生から見れば、およそ15年を経て刑の執行に至ったことになります。

3件の被害・罪名は同じではない

1件目では18歳の専門学校生が性暴力を受けた後に殺害されたが、金品奪取は未遂に終わった。

2件目では62歳の女性が早朝の路上で刺殺され、現金などの入ったバッグを奪われた。3件目では23歳の会社員へ性暴力を加えようとして殺害し、携帯電話や財布の入ったバッグを奪った。

一括して「3女性強盗殺人」と呼ばれても、強盗強姦、強盗強姦未遂、強盗殺人など、被害と成立した罪名は事件ごとに異なる。

被害者の携帯電話使用が捜査へつながった

鈴木は3件目で奪った携帯電話を犯行後も使用した。警察は通信・所持の経路を追い、鈴木を占有離脱物横領容疑で逮捕した後、各殺人事件との関連を捜査した。

本人は運送関係の仕事を続けながら、配送経路と生活圏の中で女性を探していたと認定された。外見上通常の仕事をしていたことは、犯行との結び付きを弱める事情ではない。

携帯電話、移動記録、現場との接点、供述などが、地理的に離れた3件を同一人物へ結び付けた。

3件を別事件として捜査しながら、同じ犯人へ結び付けた

飯塚、北九州、福岡の各現場は距離があり、被害者の年代も生活圏も異なっていた。発生当初から一人の連続犯による事件と確定していたわけではない。

それでも、凶器を携帯して一人歩きの女性へ接近する手口、鈴木の配送ルートと時間帯、奪われた品の使用、現場周辺の行動を重ねることで、三つの捜査が一本化された。 連続事件の立証では、似た事件という印象だけでなく、それぞれの現場から独立した証拠を積み上げ、同一人物との結び付きを示す必要がある。

裁判では強盗目的、性的目的、殺意、自首が争われた

鈴木側は、一部事件で金品を奪う意思や殺意を否定し、精神状態、自首の成立などを主張して死刑回避を求めた。 裁判所は、凶器を携帯して女性を追跡し、抵抗を抑えるため強い暴力を加え、発覚回避のため生命を奪った経過から、強盗目的と確定的殺意を認めた。

捜査機関が既に犯罪事実と犯人を把握した後の供述などは、刑法上の自首として刑を軽減する事情には当たらないと判断された。

2006年一審死刑、2011年最高裁で確定

福岡地裁は2006年11月13日、鈴木へ死刑を言い渡した。

福岡高裁も一審を維持し、最高裁は2011年3月8日、上告を棄却した。判決訂正申立てを経て死刑が確定した。

3人の生命を短期間に奪った反復性、無関係の女性を選んだ通り魔性、性欲・金銭欲と犯行発覚回避という動機が重く評価された。

2019年8月2日、福岡拘置所で死刑執行

法務省は2019年8月2日、鈴木泰徳と庄子幸一へ死刑を執行した。鈴木は50歳だった。

法務大臣会見は、借金と性的欲求を背景に、約1か月で一人歩きの女性3人を追跡して殺害した犯罪事実を説明した。

2026年7月30日現在、鈴木本人に対する刑事手続は死刑執行によって終了している。事件を記録する中心は、3人の女性が日常の移動中に一方的に標的とされたことである。

3人の被害と死刑確定後の経過

被害者は、飯塚市の18歳女性、北九州市の62歳女性、福岡市の23歳女性の3人だった。2004年12月から2005年1月までの約1か月に、通学や通勤などで一人になった女性が相次いで襲われた。

鈴木泰徳は3件の強盗殺人などで起訴され、一審と控訴審で死刑判決を受けた。最高裁第三小法廷は2011年3月8日に上告を棄却し、死刑が確定した。短期間に3人を殺害した結果の重大さに加え、女性を狙った連続性、強盗目的と性的目的を伴う犯行の悪質さなどが量刑で重く評価された。死刑は2019年8月に執行されている。

3件はいずれも福岡県内で発生した。刑事裁判はすでに終結している。

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