一夫多妻ハーレム男事件は、東京都東大和市で元占い師の渋谷博仁が複数の女性と長年にわたり共同生活を送り、報道で「一夫多妻男」「ハーレム男」と呼ばれた一連の事案である。裁判は判決直前まで進みましたが、渋谷被告は2025年1月19日、76歳で死亡。翌20日に予定されていた判決は言い渡されなかった。このため、2023年に起訴された性犯罪について、渋谷本人に対する有罪判決は存在しない。
- 渋谷博仁が「一夫多妻ハーレム男」と呼ばれた共同生活の実態 2006年の脅迫・強要未遂事件と執行猶予付き有罪判決 2023年に10代女性2人をめぐり逮捕・起訴された経緯
- 判決前日の2025年1月19日に渋谷被告が死亡した後の状況
- 一夫多妻ハーレム男事件が発生してから事件が発覚するまでの経緯
一夫多妻ハーレム男事件の概要
| 事件名 | 一夫多妻ハーレム男事件 |
|---|---|
| 現在の状況 | 一夫多妻ハーレム男事件は、東京都東大和市で元占い師の渋谷博仁が複数の女性と長年にわたり共同生活を送り、報道で「一夫多妻男」「ハーレム男」と呼ばれた一連の事案である。裁判は判決直前まで進みましたが、渋谷被告は2025年1月19日、76歳で死亡。翌20日に予定されていた判決は言い渡されなかった。このため、2023年に起訴された性犯罪について、渋谷本人に対する有罪判決は存在しない。 |
渋谷博仁が「一夫多妻ハーレム男」と呼ばれた共同生活の実態 2006年の脅迫・強要未遂事件と執行猶予付き有罪判決 2023年に10代女性2人をめぐり逮捕・起訴された経緯
渋谷は複数女性と同時に法的婚姻関係を結んでいたのではなく、報道では女性たちとの結婚と離婚を繰り返し、妻や元妻らと同じ住宅で暮らしていたとされている。その特殊な生活形態から、テレビや新聞、週刊誌が「一夫多妻男」「ハーレム男」と呼ぶようになった。「一夫多妻ハーレム男事件」も正式な警察事件名ではなく、一連の共同生活と刑事事件をまとめた便宜的な呼称である。
後年の報道では、渋谷が2003年ごろから集団生活を本格化させ、短期間に複数女性との婚姻・離婚を繰り返したとされている。女性らが同じ姓を名乗り、住宅の土地や建物の権利関係にも関わっていたことが報じられた。
妻や元妻、子どもたちが暮らした東大和市の共同住宅
共同生活の舞台となったのは、東京都東大和市の住宅だった。渋谷を中心に複数の女性が暮らす生活は、2000年代半ばに全国的な注目を集める。2022年当時の生活状況については、妻1人、元妻8人、子ども3人と渋谷を合わせた計13人が共同生活をしていたと報じられている。
もっとも、同居女性全員が犯罪被害者であったと公的に認定されたわけではない。成人同士が共同生活を選択すること自体は犯罪ではなく、一般的でない家族形態だからという理由だけで刑事責任が生じるものでもない。本件で問題となったのは、共同生活の外にいる女性に対する脅迫や強要、さらに後年には、占いや恐怖をあおる言葉を利用したとされる性的行為である。特殊な生活形態と具体的な犯罪行為は区別して考える必要がある。
2006年、女性に共同生活への参加を迫り逮捕
渋谷博仁が最初に大きな刑事事件として注目されたのは2006年である。判決報道などによると、渋谷は自宅を訪れた女性に共同生活への参加を迫り、拒否や離脱を難しくさせるような言葉を使った。2005年には20歳代の女性らに対し、家を出た場合の生命・身体への危害を想起させる発言をしたり、共同生活に加わるよう迫ったりしたとして、脅迫罪と強要未遂罪に問われた。
公判で問題となったのは、単なる恋愛上の勧誘ではない。相手に恐怖を与え、その意思に反して共同生活へ加わらせようとした行為だった。
懲役1年6月、執行猶予4年の有罪判決
2006年5月19日、東京地裁八王子支部は渋谷に懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡した。検察側の求刑は懲役1年6月だった。裁判所は、恐怖を与える不気味な文言を使った点や、執拗な犯行態様を悪質と評価した。一方、当時は執行猶予付き判決が選択されている。
この有罪判決によって、2006年事件については渋谷の刑事責任が認められた。後の2023年事件とは法的段階が異なり、こちらは単なる逮捕容疑ではない。当時の裁判では共同生活をやめる趣旨の姿勢も示されたと報じられましたが、後年の報道によれば、渋谷を中心とする生活はその後も続いた。
有罪判決後も続いたとされる「ハーレム生活」
2006年の事件が全国報道された後、渋谷と女性たちの共同生活が完全に解消されたわけではなかった。2009年には「東大和ハーレム男」として共同生活のその後を追う週刊誌記事が掲載され、複数女性がなお渋谷と暮らしている状況が報じられている。後年には新たに共同生活へ加わった女性もいたとされ、2022年時点では大人数の生活が継続していた。
渋谷は過去の取材で、女性が集まる理由について独自の説明をしていた。一方、元同居女性の家族側からは、娘との連絡が途絶えた、家族関係が切断されたという趣旨の訴えも報じられている。ただし、共同生活に参加した全女性の意思や心理状態を一括して断定することはできない。個々の女性がどのような経緯で参加し、どの程度自由に離脱できたのかは、それぞれ異なる可能性がある。
2022年、占いを介して10代女性2人に接触したとされる
再び重大な刑事事件が表面化したのは2023年だった。問題となった行為自体は主に2022年に起きたとされている。公判取材や報道によると、元妻の渋谷千秋被告がアルバイト先などで知り合った10代女性らに、渋谷博仁を「いい占い師がいる」などと紹介し、東大和市の住宅へ連れて行ったとされた。
起訴された事件では女性2人が対象となり、一人については性的行為に至ったとされ、もう一人については未遂が問題となった。検察側の事件像では、通常の恋愛関係を形成したうえで性的関係を持ったのではなく、占いを装った説明によって生命や身体への強い不安を生じさせ、その心理状態を利用したとされた。
「宇宙人に連れ去られる」などと告げ性的関係を要求した疑い
2023年2月7日の逮捕で特に大きく報じられたのが、当時17歳だった女性に対する事件である。捜査機関の見立てや後の公判報道によると、2022年12月12日、女性は占い名目で渋谷の自宅へ招かれた。そこで渋谷は、女性が近く死亡する、宇宙人に連れ去られるなどの恐怖をあおる趣旨の話をし、助かるには自分と男女の関係になる必要があると告げたとされている。
別の10代女性についても、宇宙人による危害から救うには性的関係を持つ必要があるという趣旨の説明をしたと起訴された。渋谷被告と千秋被告はいずれも公判で起訴内容を否認していたことである。起訴された事実と、有罪判決が確定したことは同じではない。
2023年2月7日、渋谷博仁と元妻を逮捕
2023年2月7日、警視庁捜査第一課は、当時74歳の渋谷博仁容疑者と、同居していた元妻の渋谷千秋容疑者を逮捕した。当初の主な逮捕容疑は、10代女性を心理的に追い込み、性的暴行を加えようとしたとする準強制性交等未遂などである。その後の捜査と刑事手続では別の10代女性に対する行為も扱われ、渋谷らは準強制性交等罪などで起訴された。
2006年に脅迫・強要未遂で有罪判決を受けた人物が、約17年後、再び相手の恐怖や心理状態を利用したとされる事件で起訴されたことで、大きな注目を集めた。
裁判では渋谷被告らが否認|心理的支配が争点に
東京地裁立川支部で開かれた刑事裁判では、女性らが自由な意思で性的行為に同意していたのか、それとも恐怖をあおる説明によって正常な判断が困難になっていたのかが重要な問題となった。渋谷被告側は起訴内容を否認した。元妻の千秋被告も否認していたと報じられている。
公判では、「宇宙人」「死」「助かる方法」といった説明がどのように行われたのか、女性らがそれをどの程度信じたのか、千秋被告が女性を渋谷へ紹介した行為をどう評価するのかなどが審理された。この段階では、検察側の主張と被告側の主張が対立していた。本来であれば裁判所が証拠を評価し、2025年1月20日に判決を示す予定だった。
判決前日の2025年1月19日、渋谷博仁被告が死亡
裁判は異例の結末を迎える。2025年1月19日夜、東京都東大和市の自宅で渋谷被告がぐったりしているのを同居女性が発見した。救急搬送されましたが、その後死亡が確認された。76歳だった。当時の報道では、現場状況から捜査機関が自殺の可能性をみて調べているとされた。
死亡日は、東京地裁立川支部で判決が予定されていた2025年1月20日の前日だった。結果として渋谷本人に対する判決は言い渡されなかった。この点は法的に重要である。渋谷には2006年事件の有罪判決がありますが、2022年から2023年にかけて問題となった10代女性への性犯罪について、有罪判決が確定したわけではない。
2006年の有罪判決と2023年の起訴を混同してはいけない
- 2006年事件:脅迫・強要未遂で有罪判決
- 判決:懲役1年6月、執行猶予4年
- 2023年事件:10代女性2人をめぐる準強制性交等罪などで逮捕・起訴
- 渋谷側の認否:公判で否認
- 判決予定:2025年1月20日
- 結末:判決前日の1月19日に渋谷被告が死亡
したがって、「渋谷は10代女性への性犯罪で有罪確定した」と記載するのは正確ではない。一方、「何も犯罪をしていない人物だった」とするのも誤りである。2006年の脅迫・強要未遂事件では、有罪判決が実際に言い渡されている。
現在|渋谷死亡後も共同生活は続いたと報じられる
現在も渋谷博仁はすでに死亡しており、新たに本人へ刑事責任を問うことはない。一方、渋谷の死亡によって、長年続いた共同生活そのものが直ちに消滅したわけではないようである。2025年12月の週刊誌報道では、渋谷死亡から約1年後も、東大和市の住宅で女性たちによる共同生活が続いているとされた。
ただし、現在暮らしている女性たち全員を「被害者」「共犯者」などと一括して扱うことはできない。刑事責任は個人ごとに具体的な証拠と手続によって判断されるべきものだ。本件が残した最大の問題は、奇妙に見える共同生活そのものよりも、占い、死への恐怖、家族や周囲との関係、閉鎖的な共同体が、人の意思決定にどのような影響を与え得るのかという点にある。
同時に、2023年事件については判決が出る前に被告人が死亡した。検察側の事件像と被告側の否認のどちらを裁判所が最終的に採用したのかは示されず、司法判断が残らなかった事件でもある。
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