静岡県菊川市家族3人殺害事件|片山宏一被告が祖父母と叔母を襲い鳥取県まで逃走

公開日 2026年7月13日
最終更新 2026年7月31日
カテゴリー 2020年代

静岡県菊川市家族3人殺害事件は、2024年7月28日、静岡県菊川市本所の住宅で、80代の夫婦と同居する50代の娘が刃物で襲われ、死亡した事件である。現在も、片山は殺人罪に問われている被告人である。判決が確定したとの公表はなく、犯行動機や刑事責任能力を含む事実関係は、今後の刑事裁判で審理されることになる。

POINT
この記事でわかること
  • 2024年7月28日に菊川市の住宅で3人が襲われた経緯
  • 殺害された渋谷昭一さん、育子さん、留美子さんの関係
  • 孫の片山宏一が全国指名手配された理由
  • 列車を乗り継ぎ鳥取市まで逃走した足取り
  • 鑑定留置を経て殺人罪で起訴された経緯
  • 現在の裁判状況と確定していない情報
項目内容
一般的な呼称菊川市家族3人殺害事件、菊川市一家3人殺害事件
発生日2024年7月28日
発生場所静岡県菊川市本所の住宅
被害者渋谷昭一さん(87歳)、妻の育子さん(81歳)、次女の留美子さん(52歳)
被告人片山宏一
被害者との関係昭一さん夫婦の孫、留美子さんの甥
犯行方法刃物で胸や腹などを複数回切りつけ、または刺したとされる
身柄確保2024年7月30日夜、鳥取市内
逮捕治療後、3人に対する殺人容疑で相次いで逮捕
鑑定留置事件当時の刑事責任能力を調べるため実施
起訴2025年3月31日、3人に対する殺人罪で起訴
現在被告人として刑事裁判の対象。確定判決は確認されていない

2024年7月28日、菊川市本所の住宅で3人が襲われる

事件が起きたのは、2024年7月28日午後2時半ごろである。静岡県菊川市本所の住宅から、「男が暴れている」といった内容の110番通報があった。警察官や救急隊が駆けつけると、住宅内で男女3人が血を流して倒れていた。倒れていたのは、この家に住む渋谷昭一さん、妻の育子さん、娘の留美子さんである。

3人は病院へ搬送されましたが、いずれも死亡が確認された。遺体には胸や腹などを刃物で刺されたり、切りつけられたりした傷が複数残されていたとされている。一つの住宅で家族3人が相次いで命を奪われるという事態に、周辺は騒然となった。

殺害されたのは祖父母と叔母

被害者のうち、渋谷昭一さんは元大工と報じられている。妻の育子さん、次女の留美子さんとともに、事件現場となった住宅で生活していた。警察が事件への関与を疑った片山宏一は、昭一さん夫婦の孫にあたる。留美子さんから見れば甥だった。片山は被害者宅に同居しておらず、事件当時は住所・職業不詳として指名手配されている。過去には自衛隊へ所属していた経歴があったと報じられた。

被害者と被告人は、面識のない他人ではなく親族関係にあった。なぜ片山がこの日、祖父母と叔母の暮らす住宅を訪れたのか。訪問前から殺害を計画していたのか、家の中で何らかのやり取りがあったのかは、公開情報だけでは確定していない。

現場から逃げた親族の男として片山宏一が浮上

事件直後、警察は現場から親族の20代男性が逃走した可能性があるとして、行方を追い始めた。目撃情報や防犯カメラ、親族への聞き取りなどから、片山宏一が捜査線上に浮上する。事件現場付近では、片山とみられる人物が徒歩で移動する姿も確認された。捜査関係者によると、片山は現場近くの土手沿いを歩いて逃げたとみられている。

その後、列車を利用して静岡県を離れ、西日本方面へ移動したことが分かった。

事件翌日に全国へ公開指名手配

2024年7月29日、静岡県警は片山宏一の逮捕状を取得し、顔写真を公表して全国に指名手配した。公表された当時の特徴は、年齢27歳、身長約165センチ、中肉の体格である。片山が刃物を所持したまま逃走している可能性も否定できなかったため、警察や自治体は、不審な人物を見かけても近づかず、110番通報するよう呼びかけた。

地元では学校や住民の間に不安が広がる。身近な住宅街で3人が殺害され、関与を疑われる人物の所在が分からない状態が続いたためである。

新幹線などを乗り継ぎ鳥取市へ逃走

片山は犯行時とは異なる服装へ着替え、鉄道を使って逃走したとみられている。静岡県内を離れた後、新幹線や在来線などを乗り継ぎ、最終的に鳥取市内へ移動した。菊川市から鳥取市までは直線でも数百キロ離れている。警察は各地の防犯カメラや交通機関の利用記録などを調べ、片山の移動経路を追った。

遠方まで移動したことで捜査は広域化しましたが、公開手配から間もなく所在が判明する。

鳥取市内の宿泊施設で身柄を確保

2024年7月30日夜、鳥取市内の宿泊施設で、片山とみられる人物が腹部にけがを負っているのが確認された。片山は救急搬送され、病院で治療を受ける。けがは命に関わる状態ではなかった。身柄を確保した際、片山は捜査員に対し、「自分がやった」という趣旨の話をしたと報じられている。

ただし、捜査段階で犯行を認める発言をしたことと、刑事裁判で犯罪事実が確定することは同じではない。警察は、片山の身体が留置や取り調べに耐えられるまで回復するのを待ち、正式な逮捕手続きへ進んだ。

治療後、3人に対する殺人容疑で相次いで逮捕

片山は入院治療を終えた後、まず祖母の育子さんを殺害した疑いで逮捕された。警察はその後、祖父の昭一さん、叔母の留美子さんに対する殺人容疑についても捜査を進め、相次いで再逮捕している。3人は同じ住宅内で襲われましたが、刑事手続きでは、被害者ごとに犯行の状況や証拠を確認する必要がある。

警察は現場の血痕、凶器とみられる刃物、遺体の傷、片山の移動記録などを調べ、3件の殺人容疑として立件した。

凶器は住宅内にあった刃物だったのか

3人はいずれも刃物で胸や腹などを襲われたとみられている。ただし、片山が事前に刃物を持参したのか、住宅内にあった刃物を使ったのかについて、確定した内容は公表されていない。凶器の入手時期は、犯行の計画性を判断する重要な要素である。事前に準備していたのであれば、住宅を訪れる前から殺害を考えていた可能性が高まる。

一方、住宅内の刃物を使ったのであれば、訪問後の口論などをきっかけに犯行へ至った可能性も考えられる。現時点で計画性や具体的な犯行順序を断定することはできない。

片山宏一の経歴と元自衛官という報道

片山は、過去に自衛隊へ所属していた元自衛官と報じられている。自衛隊を退職した後の職業や生活状況については、事件当時の警察発表で住所・職業不詳とされていた。一部報道では、片山が海外へ渡航し、軍事的な訓練に関心を持っていたという情報も伝えられている。

ただし、そうした経歴と今回の殺人事件との直接的な因果関係は確認されていない。元自衛官であることだけを理由に、犯行の原因や人物像を決めつけることはできない。

親族間の住宅トラブルが動機だったのか

事件後、親族間で過去に住宅をめぐる問題があったとの報道が出た。昭一さんが建てた住宅に片山の母親らが暮らしていた時期があり、設備の不具合や同居生活をめぐって関係が悪化したとの親族証言も伝えられている。片山の両親が離婚したことや、片山が家族と離れて暮らすようになった経緯を、祖父母側への感情と結びつける報道もあった。

しかし、片山がその問題を理由に3人を殺害したと、検察や裁判所が認定したわけではない。親族間に確執があったとしても、それが犯行の直接的な動機だったのか、別の事情があったのかは慎重に見極める必要がある。犯行動機は、今後の公判で明らかにされるべき重要な争点である。

刑事責任能力を調べるため鑑定留置

3人に対する殺人容疑の捜査後、静岡地検浜松支部は、片山の事件当時の精神状態を詳しく調べる必要があると判断した。裁判所へ鑑定留置を請求し、2024年9月から精神科医による鑑定が行われている。鑑定留置では、被疑者を一定期間、医療施設などへ置き、精神疾患の有無や犯行時の判断能力、行動を制御する能力を調べる。

殺人を行った疑いが強くても、事件当時に心神喪失状態だった場合は刑事責任を問えない。心神耗弱と認定されれば、刑が軽減される可能性がある。反対に、善悪を判断し、行動を選択できる能力が十分にあったと判断されれば、完全責任能力を前提に起訴される。

2025年3月31日、3人に対する殺人罪で起訴

鑑定留置の結果などを検討した静岡地検浜松支部は、2025年3月31日、片山宏一を殺人罪で起訴した。起訴内容は、祖父の昭一さん、祖母の育子さん、叔母の留美子さんを刃物で殺害したというものだ。検察が起訴したことは、片山について刑事裁判で責任を問えると判断したことを示す。

ただし、起訴された時点では有罪は確定していない。今後の裁判では、検察側が3人を殺害した事実、殺意、責任能力などを証拠によって立証する必要がある。現在の正確な法的立場は、殺人罪で起訴された被告人である。

3人殺害でも直ちに死刑が決まるわけではない

3人が殺害された事件であるため、裁判で死刑が求刑される可能性を指摘する声もある。しかし、被害者が複数いるからといって、自動的に死刑になるわけではない。裁判所は、被害者の人数だけでなく、犯行の計画性、動機、手口の残虐性、被告人の年齢や前科、反省、責任能力、遺族感情などを総合して刑を決める。

片山の事件では、犯行に至った経緯や精神状態について、公開情報だけでは不明な部分が多く残っている。求刑や判決が出る前に、死刑や無期懲役になると断定することはできない。

片山宏一の供述はどこまで明らかになっているのか

鳥取市で身柄を確保された際、片山は「自分がやった」という趣旨の話をしたと報じられた。一方、逮捕後の取り調べで、3人を殺害した理由や犯行の準備についてどのような供述をしたのかは、詳しく公表されていない。捜査段階の供述は、今後の裁判で証拠として採用されるかが検討される。

供述が任意に行われたものか、客観的証拠と一致しているか、鑑定で確認された精神状態と矛盾しないかも重要になる。片山が公判で起訴内容を認めるのか、争うのかについても、現在も確定した情報は確認されていない。

親族3人を一度に失った遺族の苦しみ

事件では、同じ家族から3人が一度に命を奪われた。残された親族にとって、昭一さん、育子さん、留美子さんを失った悲しみだけでも受け止めきれないものだったはずである。さらに、殺害したとして起訴された人物もまた親族だった。

家族を失った被害者遺族である一方、被告人とも血縁関係がある。事件は残された人々へ、通常の殺人事件とは異なる複雑な苦しみをもたらした。事件を扱う際には、家族間の確執を興味本位で消費するのではなく、3人の命が奪われた事実を中心に考える必要がある。

現在の状況|殺人罪で起訴され判決は未確定

現在も確認できる主な経過は、次のとおりである。

  • 2024年7月28日:菊川市本所の住宅で家族3人が殺害される
  • 7月29日:静岡県警が片山宏一を全国指名手配
  • 7月30日夜:鳥取市内で身柄を確保
  • その後:治療を経て3人に対する殺人容疑で逮捕・再逮捕
  • 2024年9月以降:刑事責任能力を調べる鑑定留置
  • 2025年3月31日:3人に対する殺人罪で起訴
  • 現在の法的立場:殺人罪に問われている被告人
  • 確定判決:現在も確認されていない

事件から2年近くが過ぎても、片山がなぜ祖父母と叔母を襲ったのか、明確な動機は公判で確定していない。また、犯行の計画性、3人を襲った順序、凶器を準備した経緯、鳥取県を逃走先に選んだ理由にも不明な点が残る。片山はすでに起訴されていますが、有罪や刑罰が確定した受刑者ではない。

今後の裁判では、3人の命を奪ったとされる行為だけでなく、事件当時の精神状態や犯行に至った背景も含め、慎重な審理が求められる。

静岡県菊川市家族3人殺害事件が残したもの

この事件は、親族間で起きたとされる重大な殺人事件である。片山は祖父母と叔母を訪ねた後、3人を襲ったとして起訴され、数百キロ離れた鳥取市まで逃走した。事件後には、過去の家族関係や住宅問題、片山の経歴など、さまざまな情報が報じられている。

しかし、周辺事情が報じられたことと、それが殺害の動機として法的に認定されることは別である。現段階で確定しているのは、渋谷昭一さん、育子さん、留美子さんの3人が刃物で殺害され、片山宏一が殺人罪で起訴されたという点である。亡くなった3人がどのような恐怖の中で命を奪われたのか。なぜ親族の間で取り返しのつかない事件が起きたのか。その答えは、今後の裁判で明らかにされることになる。

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