2006年3月、鹿児島県の口永良部島に一人の男が滞在していた。大阪府寝屋川市から姿を消した越智清だった。島での足取りは同月24日の目撃を最後に途絶え、その後20年にわたって所在が確認されていない。
大阪府警は、寝屋川市下神田町で同居する妻の越智栄子さん(当時65歳)を殺害した疑いで越智を指名手配している。2026年8月時点でも大阪府警の手配ページに掲載され、警察庁指定の重要指名手配被疑者として全国から情報が求められている。
| 事件発生 | 2006年2月28日午後~3月1日ごろ |
|---|---|
| 場所 | 大阪府寝屋川市下神田町 |
| 被害者 | 越智栄子さん(当時65歳) |
| 被疑者 | 越智清(1952年4月6日生) |
| 手配容疑 | 殺人 |
| 身長 | 約175cm |
| 最後に報じられた足取り | 2006年3月、鹿児島県口永良部島 |
| 現在 | 警察庁指定重要指名手配・所在不明 |
妻・越智栄子さんが姿を消し、夫の所在も分からなくなった
栄子さんは寝屋川市で薬局を経営していた。2006年3月に入ってから行方が分からなくなり、同じ時期に夫の越智も自宅周辺から姿を消した。大阪府警は夫妻の自宅などを調べ、栄子さんが死亡しているとみて捜査を進めた。
現在の大阪府警の手配情報では、事件の時間帯を2月28日午後から3月1日ごろまでの間、場所を寝屋川市下神田町の民家としている。越智はそこで同居する妻を殺害した疑いを持たれ、寝屋川警察署が捜査を継続している。
捜査初期は死体損壊などの容疑で全国指名手配
事件が表面化した当初、越智への手配容疑は現在と同じではなかった。2006年6月の当時報道では、大阪府警が栄子さんの死亡を判断し、越智について死体損壊などの疑いで逮捕状を取り、全国に指名手配したと伝えられている。
テレビ東京の公開捜査番組も、寝屋川市で薬局を経営していた65歳女性が自宅浴室で遺体を切断された事件として越智を取り上げた。その後、捜査は妻に対する殺人容疑へ進み、現在の大阪府警ページは越智を「妻に対する殺人事件被疑者」として掲載している。
事件後、越智の足取りは鹿児島県の口永良部島へ続いた
越智は事件直後に寝屋川を離れた。当時報道では、知人に海外へ行く趣旨の話をしていたとの情報もあったが、海外への出国記録は確認されなかったとされる。捜査で具体的な足取りが浮かんだのは、屋久島の北西に位置する口永良部島だった。
報道では、越智は3月11日ごろから島に滞在していたとされる。島民との接触があり、一定期間は所在をたどることができた。ところが3月下旬を境に、島内でも姿を見かけたという情報が途絶えた。
3月24日の目撃を最後に、20年間所在が確認されていない
当時報道で最後の有力な目撃とされたのは3月24日。越智が軽装で山の方向へ歩いていく姿を島民が見たと伝えられた。所持品の一部を島民へ譲ったとの情報も報じられている。
大阪府警は同年夏、捜査員を島へ派遣し、山中を含めて捜索した。島から外へ移動したことを示す明確な記録がない一方、本人も遺体も発見されなかった。口永良部島以後の移動経路は判明していない。
島では住民と接触し、所持品を譲ったとの情報も残った
2006年の共同通信報道では、越智は口永良部島で住民と接触し、腕時計などの所持品を譲っていたとされた。島へ入った時点では人目を避け続けていたわけではなく、住民が本人を見たという情報が複数あったため、府警は滞在時期を追うことができた。
しかし、3月24日に山の方向へ歩いていく姿を見られた後は目撃が途絶えた。夏の捜索では10人を超える捜査員が現地に入り、目撃地点や地形を確認しながら山中などを捜した。本人の発見には至らず、同年8月に現地での集中的な捜索は縮小された。
島内で死亡した可能性も捜査されたが、手配は続いた
2006年当時の報道では、府警が島内で死亡した可能性も視野に入れて捜索していたとされる。8月には現地での大規模な捜索をいったん終えたとの報道もあった。しかし、越智の死亡を直接確認できるものは見つからなかった。
そのため指名手配は解除されず、その後も全国の警察が越智の所在を追ってきた。現在公表されている写真は2006年当時のもので、時間の経過を踏まえて似顔絵も公開されている。
警察庁は2025年11月時点で73歳として重要指名手配を継続
警察庁の重要指名手配一覧では、越智は1952年生まれ、2025年11月1日時点で73歳、身長約175センチ、罪名は殺人として掲載されている。大阪府警の重要指名手配ページにも同じく掲載が続く。
重要指名手配は、凶悪・重大事件の被疑者のうち、全国的な捜査協力が必要な人物について警察庁が指定する。越智の手配署は寝屋川警察署で、現在も事件に関する情報提供を受け付けている。
現在の手配写真は事件当時の姿、加齢を踏まえた似顔絵も公開
大阪府警と警察庁が現在掲載している越智の手配情報には、事件当時の顔写真に加えて、年月の経過を踏まえた似顔絵が使われている。生年月日は1952年4月6日、身長は約175センチ。大阪府警は身体的特徴について「特異事項なし」としている。
事件から長期間が経過しているため、現在の外見が当時の写真と大きく変化している可能性がある。警察は本人に似た人物の目撃だけでなく、事件や逃走後の行動を知る情報も含め、寝屋川警察署への提供を求めている。
20年後も、口永良部島以後の足取りが捜査の空白として残る
警察の現在の公開情報に、口永良部島以後の確定した所在は示されていない。国内の別地域へ移動したのか、島で死亡したのか、別の経路を取ったのかは判明していない。20年という時間が経過した現在も、越智の顔写真と似顔絵は全国の手配情報に残っている。
また、越智は逮捕されておらず、栄子さん殺害について刑事裁判は開かれていない。大阪府警は殺人事件の被疑者として越智を追跡し、事件の経緯と所在につながる情報を求め続けている。
参考資料・出典
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