江別大学生集団暴行死事件|長谷知哉さんを男女6人が暴行し金品を奪った強盗致死事件

公開日 2026年6月11日
最終更新 2026年7月31日

江別大学生集団暴行死事件は、2024年10月25日夜から26日未明にかけて、北海道江別市の文京台南町公園で、大学生の長谷知哉さん(当時20歳)が交際相手だった女性や少年ら男女6人から集団暴行を受け、死亡した事件である。6人全員が強盗致死罪などで起訴され、2026年6月25日には札幌地裁が先行して審理された3人に判決を言い渡した。川村葉音被告は懲役30年、瀧澤海裕被告は懲役20年、犯行当時16歳の少年は懲役9年以上13年以下の不定期刑である。

POINT
この記事でわかること
  • 長谷知哉さんが江別市の公園で死亡するまでの経緯
  • 交際関係のもつれから6人による集団暴行へ発展した流れ
  • 現金・カード要求後の暴行に強盗致死罪が成立した理由
  • 川村葉音被告ら3人に言い渡された2026年6月の判決 川口侑斗被告、八木原亜麻被告ら残る被告の最新裁判状況

江別大学生集団暴行死事件の概要

事件名江別大学生集団暴行死事件
発生日・期間2024年10月25日夜~26日未明
発生場所北海道江別市文京台南町・文京台南町公園
被害長谷知哉さん(当時20歳・大学生)死因外傷性ショック
被告人等八木原亜麻、川村葉音、瀧澤海裕、川口侑斗、犯行当時16歳の少年、犯行当時17歳の少年
裁判・捜査状況強盗致死、詐欺、詐欺未遂、窃盗など川村葉音被告2026年6月25日、一審懲役30年瀧澤海裕被告2026年6月25日、一審懲役20年当時16歳の少年2026年6月25日、一審懲役9年以上13年以下の不定期刑川口侑斗被告2026年7月13日に初公判予定当時17歳の少年2026年7月13日から裁判予定八木原亜麻被告2026年7月5日時点で公判日程未定現在の状況6人のうち3人に/。残る3人の裁判は未終了 2024年10月26日朝、公園で大学生が発見された 事件が発覚したのは、2024年10月26日午前6時半ごろだった。
現在の状況江別大学生集団暴行死事件は、2024年10月25日夜から26日未明にかけて、北海道江別市の文京台南町公園で、大学生の長谷知哉さん(当時20歳)が交際相手だった女性や少年ら男女6人から集団暴行を受け、死亡した事件である。6人全員が強盗致死罪などで起訴され、2026年6月25日には札幌地裁が先行して審理された3人に判決を言い渡した。川村葉音被告は懲役30年、瀧澤海裕被告は懲役20年、犯行当時16歳の少年は懲役9年以上13年以下の不定期刑である。

長谷知哉さんが江別市の公園で死亡するまでの経緯

江別市文京台南町の文京台南町公園で、散歩中の住民が若い男性を発見する。男性は衣服を身に着けておらず、意識のない状態だった。身元は北海道千歳市に住む大学生、長谷知哉さんと判明。長谷さんは搬送されましたが、その後死亡が確認された。司法解剖の結果、死因は外傷性ショック。顔や上半身を中心に多数の負傷があり、警察は複数人から激しい暴行を受けた可能性が高いと判断した。

後の裁判では、長谷さんの頭部や顔面に広範囲の出血があり、顔面だけでも数十回以上の打撃が加えられたと考えられること、全身の血液量の20~30%程度を失っていたことが法廷で示されている。

事件の発端とされた「1年後に別れたい」という話

長谷さんは当時、八木原亜麻被告と交際していた。2026年の裁判などで示された経緯によると、事件前、長谷さんは八木原被告に対し、約1年後に交際関係を終わらせたいとする趣旨の話をしていたとされている。八木原被告はこの話に悩み、周囲へ相談した。友人だった川村葉音被告も、長谷さんに八木原被告へ謝罪させようと考えていた趣旨を供述している。

ただし、「別れ話があったから6人が最初から殺害を計画した」と認定されたわけではない。裁判で浮かび上がったのは、交際トラブルを発端とする制裁的な暴行が、集団心理の中で段階的に激化し、途中から金品を奪う強盗へ変化したという事件像だった。

長谷さんと合流後、男女6人が公園へ集まった

10月25日夜、長谷さんは八木原被告と合流し、その後、江別市の公園へ向かったとされている。現場には八木原被告だけでなく、川村葉音被告、瀧澤海裕被告、川口侑斗被告、当時16歳と17歳の少年も集まった。年齢は10代後半から20歳前後。友人関係などでつながった若者6人が、1人の大学生を取り囲む構図となる。

2026年の裁判では、暴行が大きく複数の段階に分かれていたことが審理された。最初の暴行で終わる機会はあったにもかかわらず、犯行は止まらなかった。主犯格とされる川口被告が強い暴行を始めたとする証言がある一方、他の被告らも暴行に参加したり、周囲をあおったり、被害者を嘲笑したりしたことが問題となっている。

「全部出せ。全額」金品要求後に暴行がさらに激化

事件を単なる傷害致死ではなく、強盗致死へ変えた重要な局面が金品要求である。起訴状や裁判で示された音声では、長谷さんに対し「全部出せ。全額」などと金銭を要求するやり取りがあった。6人は現金だけでなく、クレジットカードやキャッシュカードなども奪ったとして起訴されている。

さらに、衣服に血が付いたことを理由に金を払うよう求める発言も法廷で明らかになった。暴行を受けている被害者に対し、加害側が新たな金銭負担まで押しつける構図だった。札幌地裁は2026年の先行審理で、金品要求後の暴行によって長谷さんが死亡したと認められるとして、強盗致死罪の成立を認定した。

約2時間に及んだ集団暴行と嘲笑

裁判では、長谷さんが受けた暴行の長さと集団性が厳しく問題視された。暴行は約2時間に及び、殴る、蹴るといった行為が繰り返された。長谷さんのスマートフォンには当時の音声が残されており、公判では実際のやり取りが再生されている。長谷さんは徐々に衰弱し、最後にはろれつが回りにくくなるほど状態が悪化していたことが証言された。

それでも暴行は止まらなかった。瀧澤被告については、ふざけた言葉を発しながら飛び蹴りをしたことなどが裁判で審理された。周囲が暴行を面白がるような雰囲気を作り、さらに行為を激化させたと検察側は指摘している。札幌地裁は一連の行為について、被害者を一方的に追い詰める極めて悪質な集団暴行と評価した。

被害者を公園に残し、奪ったカードを使用

暴行後の行動も、事件の悪質性を際立たせた。長谷さんは重傷を負ったまま公園に残される。一方、被告らの一部は奪ったクレジットカードを使い、コンビニエンスストアで買い物をしたとされている。さらにキャッシュカードを利用して現金を引き出し、その後、複数人でラーメンを食べた経緯も裁判で明らかになった。

このため遺族は公判で、長谷さんを放置した後の行動について厳しい問いを投げかけている。長谷さんは救急搬送を必要とする状態だった。司法解剖を担当した医師は、暴行直後に救急車が呼ばれていれば救命できた可能性が高かったとの趣旨を証言している。

6人はどのように逮捕・起訴されたのか

事件発覚後、捜査は急速に進んだ。八木原被告が警察へ連絡し、その後、川村被告らも警察へ出頭。北海道警はまず傷害や傷害致死などの容疑で関係者を逮捕していった。しかし、捜査で長谷さんの金品を奪った事実やカード利用が明らかになると、事件の法的評価は大きく変わる。

最終的に、八木原亜麻、川村葉音、瀧澤海裕、川口侑斗の4被告と、犯行当時16歳、17歳だった少年の計6人全員が強盗致死罪などで起訴された。強盗致死罪は極めて重い犯罪である。本件では、単に暴行して死亡させたのではなく、金品を奪う行為とその後の暴行・死亡結果の関係が裁判上の重要な論点となった。

川村葉音被告ら3人の裁判で強盗致死罪の成立を認定

2026年5月25日、札幌地裁で、6人のうち川村葉音被告、犯行当時18歳だった瀧澤海裕被告、犯行当時16歳の少年の裁判員裁判が始まった。3人はいずれも起訴内容を認めた。ただし、量刑を決める前提として、長谷さんの死亡について本当に強盗致死罪が成立するのかが審理された。

札幌地裁は中間判断で、金品を要求した後にも暴行が続き、その暴行によって死亡したと認定できるとして、強盗致死罪の成立を認めた。その後の裁判では、3人それぞれが暴行の開始、激化、金銭要求にどこまで影響したのかが量刑上の中心争点となった。

2026年6月25日、川村葉音被告に懲役30年

2026年6月25日、札幌地裁は川村葉音被告に懲役30年を言い渡した。検察側の求刑は無期懲役だった。裁判所は、川村被告が八木原被告の相談を受けて長谷さんに謝罪させようとし、事件へつながる端緒を作ったと評価した。

さらに、自ら暴行へ加わっただけでなく、共犯者による暴行をエスカレートさせる行動を取るなど、犯行の流れを作り出した責任を重くんだ。一方、長谷さんの死亡結果への直接的な寄与は他の共犯者と比べ限定的な部分があり、供述によって事件の詳細が明らかになった事情なども考慮。無期懲役ではなく、有期懲役の上限となる30年を選択した。

瀧澤海裕被告に懲役20年、16歳少年には不定期刑

同じ判決公判で、札幌地裁は瀧澤海裕被告に懲役20年を言い渡した。検察側の求刑通りの判決である。裁判では、瀧澤被告が飛び蹴りなどの暴行へ加わり、周囲が面白がりながら暴行を続ける空気を助長したと評価された。一方、犯行当時16歳だった少年には懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡された。検察側は懲役10年以上15年以下を求刑していた。

裁判所は、少年が自ら暴行に参加した責任を認めながらも、主導者ではなく、死亡結果への寄与が限定的だったことなどを考慮した。

川村葉音被告求刑・無期懲役/一審・懲役30年
瀧澤海裕被告求刑・懲役20年/一審・懲役20年
犯行当時16歳の少年求刑・懲役10年以上15年以下/一審・懲役9年以上13年以下
判決日2026年6月25日
裁判所札幌地方裁判所

「主犯格」とされる川口侑斗被告の裁判はこれから

2026年6月の判決で事件全体が終わったわけではない。これまでの公判では、川口侑斗被告が暴行を主導した人物としてたびたび名前を挙げられている。川口被告は犯行当時18歳。先行した3人の裁判では証人として法廷に呼ばれましたが、自分自身の裁判が近いことなどを理由に、宣誓を拒む場面もあった。

2026年7月13日から、川口被告と犯行当時17歳だった少年の裁判が始まる予定である。先行公判では、川口被告が最初の暴行を始め、強い暴行の流れを作ったとする証言が出ている。また、17歳少年についても、川口被告に次いで積極的に暴行していたとする供述がある。

ただし、これらの人物については本人の裁判がまだ終了していない。主導性や具体的な刑事責任は、それぞれの公判で審理される。

交際相手・八木原亜麻被告の裁判日程は未定

事件の発端となった交際問題の中心にいたのが、八木原亜麻被告である。八木原被告は長谷さんの交際相手で、事件前に「1年後に別れたい」と告げられたとする経緯が報じられている。2026年の先行裁判では、八木原被告が暴行中に周囲をあおる趣旨の発言をしたとする証言も出た。

しかし、八木原被告本人の刑事責任については、まだ裁判所の判決が出ていない。2026年7月5日時点で公判日程は決まっておらず、今後の裁判で事件への関与、暴行や強盗への認識、量刑が審理されることになる。

若者6人の集団心理はなぜ暴行を止められなかったのか

江別大学生集団暴行死事件が強い衝撃を与えた理由の一つは、加害側が10代後半から20代前半の若者だったことである。一人が暴行を始め、別の人物が加わる。周囲が笑い、制止せず、さらに新たな暴行が起きる。そこへ金品要求が加わり、被害者の状態が悪化しても誰も救急車を呼ばない。

先行裁判では、主犯格とされる人物との関係を壊したくなかった、周囲と違う行動をすると責められると思ったといった趣旨の説明も出ている。しかし裁判所は、集団の雰囲気だけで責任が消えるとは判断しなかった。それぞれに暴行をやめる機会があり、救命措置を取ることもできた。若さや友人関係の圧力が存在しても、自ら重大犯罪に参加した責任は個別に問われるというのが刑事裁判の基本である。

江別大学生集団暴行死事件の現在

2026年7月5日時点で、本件は6人全員の刑が確定した事件ではない。川村葉音被告、瀧澤海裕被告、犯行当時16歳の少年については、2026年6月25日に札幌地裁の一審判決が言い渡された。ただし、一審判決後の上訴・確定状況については、現時点で確定判決として扱う段階ではない。

主犯格とされる川口侑斗被告と当時17歳の少年は、7月13日から裁判予定。八木原亜麻被告は公判日程が決まっていない。そのため、事件の最終的な司法判断が出そろうのはこれからである。長谷知哉さんは20歳だった。交際関係の問題を話し合う場から始まったとされる出来事は、約2時間の集団暴行と強盗へ変わり、救命可能性を残したまま公園に置き去りにされる結果となった。

誰が暴行を始めたのかだけではなく、誰が加わり、誰があおり、誰が金品を要求し、なぜ6人の中で誰も止められなかったのか。残る被告の裁判は、その全体像と個々の責任をさらに明らかにすることになる。

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