那須町夫婦殺害事件|宝島龍太郎さん夫妻を殺害・7人起訴・平山綾拳の懲役30年確定

公開日 2026年7月23日
最終更新 2026年7月31日
カテゴリー 2020年代

那須町夫婦殺害事件は、2024年4月16日、栃木県那須町の河川敷で、飲食店を経営していた宝島龍太郎さん夫妻の焼損遺体が発見された事件である。平山被告は控訴せず刑が確定した。佐々木被告は控訴しており、残る5人についても裁判が終わっていない。

POINT
この記事でわかること
  • 宝島龍太郎さん夫妻の遺体が発見された状況
  • 夫妻が東京都内の空き家へ連れ出された経緯
  • 殺害から那須町での遺体遺棄までの流れ
  • 殺人罪などで起訴された7人とそれぞれの役割
  • 飲食店経営をめぐる対立が背景とされた理由
  • 佐々木光・平山綾拳両被告へ言い渡された判決
  • 現在における7人の裁判状況
項目内容
一般的な呼称那須町夫婦殺害事件、那須町夫婦焼損遺体事件、宝島さん夫妻殺害事件
犯行日時2024年4月15日深夜から16日未明
殺害場所東京都品川区東五反田の空き家
遺体発見2024年4月16日午前6時50分ごろ
遺体発見場所栃木県那須町伊王野の河川敷
死亡者2人
被害者宝島龍太郎さん(55歳)、宝島幸子さん(56歳)
殺害方法電気コードで首を絞め、幸子さんの頭部をハンマーで殴るなどしたと認定
起訴された人数7人
起訴された人物関根誠端、宝島真奈美、前田亮、佐々木光、平山綾拳、若山耀人、姜光紀
主な起訴罪名殺人、死体遺棄、死体損壊など
最初の判決2026年7月3日、佐々木光・平山綾拳両被告に懲役30年
平山綾拳控訴せず、懲役30年が確定
佐々木光一審判決を不服として控訴
ほかの5人現在も判決は確定していない

2024年4月16日、河川敷で焼けた2人の遺体を発見

2024年4月16日午前6時50分ごろ、栃木県那須町伊王野の河川敷で、通行人が燃えている人のようなものを発見した。通報を受けて警察官が駆け付けると、男女2人の遺体が焼けた状態で見つかる。遺体は重なるように置かれ、手を拘束されるなどしていた。現場の状況から、警察は事件に巻き込まれた可能性が高いと判断する。

男性の身元は、東京都内に住む会社役員の宝島龍太郎さんと判明した。その後、女性についてもDNA型鑑定が行われ、龍太郎さんの妻である幸子さんと特定されている。

被害者の宝島龍太郎さんと幸子さん

宝島龍太郎さん夫妻は、東京・上野や御徒町周辺で焼肉店や居酒屋など、複数の飲食店を経営していた。夫妻が展開する系列店が集中する場所は、周辺で「宝島ロード」と呼ばれることもあった。龍太郎さんは会社の経営を担い、幸子さんも店舗運営や従業員の管理などへ深く関わっていたとされている。

事件前、夫妻は飲食店の経営方針や利益の配分などをめぐり、長女の宝島真奈美被告と、その内縁の夫である関根誠端被告との間で対立していたと捜査機関はみている。ただし、関根被告や真奈美被告らの刑事責任は、それぞれの裁判で判断される段階である。

物件案内を装い夫妻を空き家へ連れ出す

起訴状や2026年の東京地裁判決によると、夫妻は2024年4月15日夜、不動産物件を見に行くとの説明を受け、東京・上野周辺から車へ乗った。夫妻を案内したとされるのは、不動産会社を経営し、夫妻とも面識があった前田亮被告である。移動中の車内では、夫妻に睡眠薬を混ぜたコーヒーが渡されたと認定されている。

夫妻は東京都品川区東五反田にある空き家へ連れて行かれた。空き家は前田被告が管理に関わっていた物件とされている。検察側は、物件の内見を装って夫妻を人目につきにくい場所へ誘導する計画だったと主張している。

品川区の空き家で夫妻を殺害

夫妻は4月15日午後11時50分ごろから、翌16日午前1時30分ごろまでの間に、空き家1階のガレージで襲われた。2026年7月の東京地裁判決は、実行役とされる者らが夫妻の首を電気コードで絞め、幸子さんの頭部をハンマーで殴ったと認定している。龍太郎さんと幸子さんは、いずれも空き家で死亡した。

実際の殺害行為を行ったとして起訴されているのは、若山耀人被告と姜光紀被告である。両被告の有罪や量刑は、今後の裁判で証拠に基づいて判断される。

遺体を栃木県那須町まで運び焼損

殺害後、夫妻の遺体は平山綾拳被告が用意した車へ積まれたとされている。若山被告と姜被告は車で東京都内から栃木県へ移動し、那須町伊王野の河川敷まで遺体を運んだとして起訴された。現場では遺体へ火が付けられ、犯行の発覚を防ぐための損壊行為が行われたとされている。

しかし、遺体は完全には焼失せず、明るくなった後に通行人によって発見された。夫妻が殺害されたのは東京都内ですが、遺体が那須町で見つかったことから、那須町夫婦殺害事件と呼ばれている。

殺人罪などで起訴された7人

東京地検は2024年7月、事件へ関与したとして7人を殺人罪などで起訴した。

被告人検察側が主張する主な立場現在
関根誠端事件を計画、主導したとされる起訴内容を否認。判決前
宝島真奈美夫妻の長女。関根被告らと共謀したとされる判決前
前田亮夫妻を空き家へ案内したとされる判決前
佐々木光関根被告から依頼を受け、実行役の手配を指示したとされる懲役30年。一審判決を控訴
平山綾拳実行役を集め、車や道具を用意したとされる懲役30年が確定
若山耀人殺害と遺体の運搬・焼損を実行したとされる判決前
姜光紀若山被告とともに実行役を務めたとされる判決前

役割の名称は、主に捜査機関や検察側の主張に基づくものだ。平山被告を除く6人については、控訴審または一審が続いており、刑事責任のすべてが確定したわけではない。

平山綾拳被告の出頭から7人の逮捕へ

事件発覚翌日の2024年4月17日、平山綾拳被告が警察へ出頭した。平山被告の供述や防犯カメラ、車両の記録、携帯電話の通信履歴などから、事件へ関わった人物が次々と捜査線上に浮上する。4月末までに佐々木光被告、若山耀人被告、姜光紀被告が逮捕された。

5月には関根誠端被告と前田亮被告が逮捕され、6月27日には夫妻の長女である宝島真奈美被告が逮捕されている。7人は当初、死体損壊や死体遺棄などの疑いで捜査され、その後、夫妻を殺害した疑いでも逮捕、再逮捕された。

飲食店経営をめぐる対立が犯行の背景か

検察側は、事件の背景に宝島さん夫妻と、長女の真奈美被告、関根被告との経営上の対立があったと主張している。関根被告は夫妻が経営する店舗の一部を任され、真奈美被告も会社の運営に関わっていた。しかし、経営方針や金銭の扱いなどをめぐり関係が悪化し、夫妻に対する不満を強めていったとされている。

検察側は、関根被告らが2023年ごろから夫妻の排除を考え、前田被告や佐々木被告を通じて実行役を集めたと説明した。一方、関根被告は2026年6月の手続きで、誰とも共謀しておらず無罪だと主張している。事件の発案者や計画の全容については、残る被告人の裁判を通じて判断される。

2026年6月、佐々木光・平山綾拳両被告の初公判

2026年6月22日、東京地裁で佐々木光被告と平山綾拳被告の裁判員裁判が始まった。佐々木被告は、殺人や死体遺棄・損壊などの起訴内容を認めた。平山被告も事件へ関与した事実は認めましたが、自分は殺人の共同正犯ではなく、他人の犯罪を手助けした幇助犯にとどまると主張した。

検察側は、佐々木被告が関根被告から依頼を受け、平山被告へ殺害と遺体処分を伝えたと説明した。平山被告は実行役を集め、車両や凶器などの準備に関わったとして、2人とも犯行に不可欠な役割を果たしたと主張されている。

2人に無期懲役を求刑

検察側は、役割分担に基づいて計画的に夫妻の生命を奪った重大事件だとして、佐々木、平山両被告に無期懲役を求刑した。弁護側は、2人が事件の発案者ではなく、実際の殺害や遺体の焼損も行っていないと主張する。また、関根被告からの依頼を断ることが困難だった事情や、事件後の出頭、捜査への協力などを考慮するよう求めた。

両被告について、懲役20年程度が相当だというのが弁護側の主張だった。

2026年7月3日、両被告に懲役30年

2026年7月3日、東京地裁は佐々木光被告と平山綾拳被告に、それぞれ懲役30年を言い渡した。判決は、両被告が犯行の実現に必要な役割を主体的に果たしたとして、平山被告についても幇助犯ではなく共同正犯と認定した。一方、2人は事件の発案者や最終的な首謀者ではなく、自ら殺害や遺体の焼損を行ったわけでもない。

実行役を暴力で脅して犯行へ参加させた事情も認められないとして、無期懲役ではなく有期懲役の上限となる30年を選択した。事件へ関与したとして起訴された7人のうち、判決が言い渡された最初の裁判だった。

平山被告は刑確定、佐々木被告は控訴

平山綾拳被告は、東京地裁の判決に対して控訴しなかった。そのため、平山被告の懲役30年は確定している。一方、佐々木光被告は7月6日付で控訴した。

佐々木被告については、今後、東京高裁で一審の事実認定や量刑が適切だったか審理される。懲役30年という同じ一審判決を受けた2人でも、現在の法的立場は異なる。

残る5人は有罪判決が確定していない

関根誠端、宝島真奈美、前田亮、若山耀人、姜光紀の5被告について、現在も刑は確定していない。関根被告は、事件を主導したとする検察側の主張を全面的に否定している。ほかの被告人についても、各自の認否や役割、報酬の有無、殺害計画をどこまで理解していたかが、個別の裁判で審理される。

7人全員が同じ事件で起訴されていても、実行した行為や関与の程度が異なれば、成立する犯罪や刑罰も異なる可能性がある。起訴された段階の人物を、すでに有罪が確定した犯人として扱うことはできない。

那須町夫婦殺害事件の主な時系列

  • 2024年4月15日夜:宝島龍太郎さん夫妻が上野周辺から車へ乗る
  • 同日深夜:移動中の車内で睡眠薬入りのコーヒーを飲ませたとされる
  • 4月15日深夜から16日未明:品川区東五反田の空き家で夫妻を殺害
  • 4月16日未明:遺体を車で栃木県那須町へ運び、火を付けて遺棄
  • 午前6時50分ごろ:通行人が河川敷で焼損遺体を発見
  • 4月17日:平山綾拳被告が警察へ出頭
  • 4月下旬:平山、佐々木光両被告を相次いで逮捕
  • 4月30日から5月1日:姜光紀、若山耀人両被告を逮捕
  • 5月6日:関根誠端被告を逮捕
  • 5月7日:前田亮被告を逮捕
  • 6月27日:夫妻の長女・宝島真奈美被告を逮捕
  • 7月18日:東京地検が7人を殺人罪で起訴
  • 2026年6月22日:佐々木、平山両被告の初公判
  • 6月30日:検察側が両被告へ無期懲役を求刑
  • 7月3日:東京地裁が両被告へ懲役30年を言い渡す
  • 7月6日:佐々木被告が控訴
  • 7月:平山被告が控訴せず、懲役30年が確定

現在の状況|1人の懲役30年が確定

現在も、事件により起訴された7人のうち、刑が確定したのは平山綾拳受刑者である。平山受刑者には、殺人、死体遺棄・損壊などの罪で懲役30年が確定した。佐々木光被告も一審で懲役30年を言い渡されましたが、控訴しているため確定していない。

関根誠端、宝島真奈美、前田亮、若山耀人、姜光紀の5被告についても、刑事裁判が終了していない。現在の正確な状況は、7人が起訴され、1人の懲役30年が確定、1人が控訴中、残る5人が判決前である。

那須町夫婦殺害事件が残したもの

那須町夫婦殺害事件では、飲食店を経営していた宝島龍太郎さんと幸子さんが、物件案内を装って空き家へ連れ出された。夫妻は東京都内で殺害され、遺体は県境を越えて栃木県まで運ばれた後、焼かれて遺棄されている。事件には、夫妻と近い関係にあった人物から、夫妻と面識のなかった実行役とされる人物まで、複数の被告人が関与したとして起訴された。

検察側は、犯行の依頼が複数の仲介者を通じて実行役へ伝えられた、分業型の殺人事件だったと主張している。最初の判決は、実際に殺害していない仲介者であっても、犯行に不可欠な役割を主体的に果たせば、殺人の共同正犯になり得ることを示した。一方、事件全体の発案者、長女の関与、実行役の具体的行為などは、残る裁判で審理される。

夫妻の被害を記録するとともに、起訴された人物と有罪が確定した人物を区別し、それぞれの裁判経過を確認する必要がある。

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