東日暮里三丁目先路上刃物使用殺人事件|太田康治さん刺殺、公開画像の男性は「事情を知る可能性」

公開日 2026年4月3日
最終更新 2026年8月28日

事件ステータス

発生年月日
2011年
都道府県
東京都
事件分類
未解決事件 / 殺人事件
事件状況
未解決

2011年11月28日午後10時25分ごろ、東京都荒川区東日暮里三丁目28番先の路上で、24歳の会社員・太田康治さんが背中から血を流して倒れ、搬送先の病院で死亡した。太田さんは自宅近くまで帰ってきたところで刺されたとみられ、通りかかったタクシーに助けを求めていた。

事件現場付近の防犯カメラには、事件の前後に路上を移動する男性が写っていた。警視庁は現在も画像を公開しているが、その説明は「事件について知っている可能性のある人物」であり、犯人と断定していない。2023年の12年目の呼びかけでも、警察は「事情を知るとみられる男性」として情報を求めた。

太田さんの背中には鋭利な刃物による深い傷があり、防御創はなかったと報じられている。凶器は現場付近から見つからず、強い恨みがあったのか、偶発的な襲撃だったのか、なぜ帰宅直前の太田さんが狙われたのかは現在も明らかになっていない。

発覚2011年11月28日 午後10時25分ごろ
警視庁の発覚場所東京都荒川区東日暮里三丁目28番先路上
被害者会社員・太田康治さん(当時24歳)
被害背中を刃物で刺され死亡
現場との関係自宅近くまで帰宅したところで襲われたとみられる
凶器現場付近からは発見されず
公開画像事件について知っている可能性のある人物
現在未解決・警視庁荒川署特別捜査本部が情報募集

午後10時25分、背中から血を流した太田康治さんが路上で倒れた

警視庁の公式ページでは、発覚場所は東日暮里三丁目28番先。通行中の男性が、24歳の男性が背中から出血して倒れているのを見つけた。太田さんは病院へ搬送されたが死亡した。

翌29日のTOKYO MXは、死亡した男性を東日暮里に住む電気機器卸会社社員の太田康治さんと報じた。発覚した場所は自宅から約100メートルの通りで、仕事を終えて自宅近くまで戻った時間帯に事件へ巻き込まれた。

太田さんは通りかかったタクシーを止め、病院へ連れて行ってほしいと求めた

事件直後のTOKYO MXによれば、太田さんは負傷した状態でタクシーを呼び止め、病院へ連れて行ってほしいと助けを求めた後に倒れ込んだ。発見時にはすでに重傷だったが、自ら人通りのある場所まで移動して救助を求めることができた。

この行動から、警視庁が示す「発覚場所」と、実際に刃物で刺された地点が完全に同じとは限らない。共同通信の用語解説は刺された場所を東日暮里四丁目の自宅アパート前とし、警視庁は男性が倒れて発見された場所を三丁目28番先としている。

会社帰り、自宅まで残りわずかな場所で事件に巻き込まれた

事件から4日後のTOKYO MXは、会社帰りだった太田さんに何が起きたのかを追う形で足取りを報じている。事件翌日の報道でも、太田さんの自宅は発覚場所から約100メートルとされており、帰宅行動の終盤で襲撃を受けたことになる。

自宅近くという位置関係は、待ち伏せや面識の有無を考えたくなる材料ではある。しかし、警視庁は現在まで犯人と太田さんの関係を公表していない。帰宅経路を知っていた人物による犯行だったのか、偶然接触した相手だったのかは確定していない。

「三丁目28番先」は発覚場所で、刺された地点とは区別されている

未解決事件では、通報地点、被害者が倒れた地点、最初に襲われた地点がずれることがある。本件も公式事件名に「東日暮里三丁目先路上」と入っているが、これは警視庁が示す発覚場所に基づく名称である。

共同通信は太田さんが自宅アパート前で刺され、帰宅寸前だったと説明している。正確な最初の襲撃地点を警視庁の現行ページは文章では示していないため、「三丁目28番で刺された」と固定するより、三丁目で発覚し、自宅近くで襲われたと整理する方が資料間の違いを保てる。

背中には深い傷があり、防御創は確認されなかった

事件から10年となった2021年、TOKYO MXは太田さんの背中に鋭利な刃物で刺されたような深い傷があり、攻撃を防ごうとした際に生じる防御創はなかったと伝えた。

2023年の日テレNEWSも、太田さんは背後から刺されたと報じている。防御創がないことは襲撃態様を考える材料になるが、それだけで面識の有無や待ち伏せの有無を断定することはできない。犯人がどの時点で太田さんへ近づいたのかは、公表情報では確定していない。

凶器は現場付近から見つからなかった

TOKYO MXの事件翌日の報道では、太田さんの背中左側に刃物のようなものによる刺し傷があった一方、付近から凶器になるような刃物は見つからなかった。犯人が凶器を持ったまま現場を離れた可能性を含め、警察は殺人事件として特別捜査本部を設置した。

共同通信は「包丁で背中を刺された」と伝えているが、警視庁の現行ページは事件名を「刃物使用殺人事件」とし、凶器の種類を特定していない。凶器そのものが回収されていない以上、製品や入手経路まで確定したものとして扱うことはできない。

現場付近のカメラには、事件前後に一人の男性が写っていた

警視庁が公開する4枚の画像には、事件発生前後に現場付近の路上で撮影された人物が写っている。共同通信は、付近の防犯カメラに現場から走り去る男の姿が記録されていたと伝えている。

この映像が長期捜査の重要な手掛かりになった一方、警視庁の現在の表現は慎重だ。画像の人物について「事件について知っている可能性のある人物」としており、氏名も身元も公開されていない。

公式ページの最終更新は2016年でも、事件は現在の公開捜査一覧に残る

個別事件ページには「更新日:2016年3月31日」と表示されている。更新日だけを見れば古いページに見えるが、警視庁の現行「公開捜査一覧(発生年)」から現在も本件へリンクされ、荒川警察署の情報募集ページにも掲載が続いている。

つまり、2016年以降に事件が解決したのに古いページだけが残っている状態ではない。少なくとも警視庁が公開している現行情報では、荒川署の特別捜査本部が問い合わせ先として示され、画像の人物や事件前後の周辺状況に関する情報を求め続けている。

公開画像の男性は、警視庁が「犯人」と断定した人物ではない

2023年11月、事件発生から12年となった際の日テレNEWSは、警視庁が「事情を知るとみられる男性」について情報提供を呼びかけたと報じた。駅前で配られたチラシにも、この男性が映った防犯カメラ画像が使われた。

画像が公開されているため、ネット上では「容疑者の写真」として扱われることもある。しかし公式ページに書かれているのは、事件について知っている可能性があるという位置づけまでだ。本人の事情聴取も、犯人性の立証も公表されていない段階である。

警視庁が求めているのは、争う声、血の付いた服、不審者・不審車両の記憶

警視庁は現場付近で「言い争う声を聞いた」「服に血のついた人を見た」「不審な人物を見た」「不審車両が駐車していた」といった情報を求めている。犯人像を一つに絞って知らせるのではなく、事件前後の周辺状況を広く復元するための呼びかけとなっている。

言い争う声の募集があるからといって、太田さんと犯人が口論していたと確定しているわけではない。同様に、不審車両の情報募集も車を使った犯行が確定したことを意味しない。警察が可能性を広く拾うために設けた募集項目と、確認済みの事件経過は分けて読む必要がある。

10年目には日暮里駅と三河島駅で、画像入りのマスクが配られた

2021年11月28日、事件から10年となり、警視庁はJR日暮里駅前とJR三河島駅前で情報提供を呼びかけた。TOKYO MXによれば、配布物は犯人像などを掲載したチラシ入りのマスクだった。

長期間が経過した事件では、当時現場を通った人がすでに転居していたり、事件直後には重要性に気づかなかった記憶が残っていたりする。駅頭での呼びかけは、日常的に地域を利用する人へ防犯カメラ画像を改めて示す機会になった。

12年目にも同じ2駅で、荒川署が情報提供を求めた

2023年11月28日にも、荒川署長や署員らがJR日暮里駅前とJR三河島駅前でチラシを配布した。日テレNEWSは、この時点でも犯人が捕まっていないと伝え、画像の男性を「事情を知るとみられる男性」と表現した。

捜査側が画像公開をやめていないことは、この人物の身元確認や行動の解明が今も必要であることを示している。一方で、情報提供を求め続けていること自体が、その人物を犯人と確定する根拠にはならない。

財布や所持品を狙った強盗だったのか、恨みによる犯行だったのかは確定していない

太田さんは自宅近くで背後から刺され、凶器は残されていなかった。こうした状況から動機を推測することはできるが、警視庁は現行ページで強盗、怨恨、通り魔など特定の動機を公表していない。

逮捕された被疑者がいないため、供述による動機説明も存在しない。被害者の仕事や交友関係から特定のトラブルを作り上げたり、公開画像の人物の外見から所属や職業を推測したりすると、捜査で確定していない人物像を事実として広げることになる。

2026年8月現在も、警視庁の公開捜査一覧に掲載されている

警視庁の「公開捜査一覧(発生年)」には、2026年8月現在も2011年の事件として本件が掲載されている。荒川警察署の「情報を求めます」のページにも、公開捜査中の事件として残っている。

太田さんを刺した人物の逮捕、起訴、有罪判決はいずれもない。現在の法的状態は未解決の殺人事件であり、荒川署特別捜査本部が情報提供を受け付けている。警視庁は「どんな些細なことでも結構」として、争う声、血の付いた服、不審人物、不審車両など事件前後の記憶を広く求めている。

画像の人物の身元、犯人との関係、犯行動機、凶器の所在はいずれも解明されていない。太田さんが自宅近くまで戻った後の短い時間に誰と接触したのかを復元できる情報が、事件の空白を埋める鍵として残っている。

参考資料・出典

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